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Protocols

T4 Polynucleotide Kinase

T4 Polynucleotide Kinaseによる5'末端標識反応

T4 Polynucleotide Kinase(T4 PNK)による、核酸の5'末端標識反応の効率は、5'末端の形状に強く影響される。一般に、一本鎖末端≧二本鎖5'突出末端>二本鎖平滑末端>二本鎖3'突出末端の順で、後になるほど効率は低下する。特に二本鎖のギャップやニック部分のリン酸化は非常に困難なため、標識効率を高めるためには高濃度で過剰量のATPを用いる必要がある。また、同じ平滑末端でもAT richな末端ほど標識効率は高い。以下に反応条件の基本例を示す1)

リン酸転移反応

A. 一本鎖および二本鎖5'突出末端の場合

反応液組成

50 mM Tris-HCl(pH8.0)*
10 mM MgCl2*
5 mM DTT*
1~50 pmol 脱リン酸化核酸
0.37~3.7 MBq
(10~100μCi)
〔γ-32P〕ATP 111~185 TBq/mmol
(3,000~5,000 Ci/mmol)
5~20 U/tube T4 PNK
Total 20~100μl

反応条件:37℃、30分

* 10 × Bufferとして製品に添付

B. 平滑末端および3'突出末端の場合

反応液組成

50 mMTris-HCl(pH9.5)
10 mMMgCl2
5 mMDTT
5%グリセロール
1~50 pmol脱リン酸化核酸
0.37~3.7 MBq
(10~100μCi)
〔γ-32P〕ATP >37 TBq/mmol
(>1,000 Ci/mmol)
5~20 U/tubeT4 PNK
Total 20~50μl

反応条件:37℃、30分、さらにT4 PNKを追加して30分


■使用上の注意

  • 一本鎖でも、プライマー、リンカー等のオリゴマーのリン酸化には、B. の条件の方が適している(当社データ)。
  • 0.1 M KClおよび1.7 mM spermidineは、A. においては活性化効果を示すが2)、B. の場合には阻害的となるので3)、必ずしも添加することは望ましくない。
  • 90%以上の標識効率を得るためにはA. の場合1μM以上、末端数の5倍以上のATPが必要であり、B. の場合には20μM以上、20倍以上のATPを要求する3)
交換反応
反応液組成
50 mMイミダゾール-HCl(pH6.6)
10 mMMgCl2
5 mMDTT
100~200μMADP
12μM〔γ-32P〕ATP
1~50 pmol5'-P末端核酸断片
5~20 U/tubeT4 PNK
Total 50~100μl

反応条件:37℃、30分

■使用上の注意
交換反応の場合、核酸の末端の形状による影響は大きく、一本鎖でも転移反応の1/3~1/10の効率しか得られない。なお、反応系に6% PEG 8000を添加すると、酵素濃度の低い場合に標識効率が上昇するとの報告があるが4)、酵素濃度が充分高い場合にはPEGの効果は認められていないため、安定化効果と考えられる。
以上より、T4 PNKにより核酸を効率よく標識するためには、5'末端の形状が突出型であることが望ましい。
※MEGALABEL(製品コード 6070)を用いると、DNAの末端形状にほとんど影響されず、前処理なしに効率よく交換反応を行える。

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