製品説明
本酵素はDNAまたはRNAの5’末端にATPのγ位のリン酸基を添加する酵素である。ATPの存在下では、5’-OH末端のリン酸化反応が起こる。このとき同時に標識したATPをいれておくと、リン酸転移反応も同時に起こり、5’末端が標識されたものと交換される(交換反応)。
保存
-20℃
濃度
10 U/μl
形状
50 mM | Tris-HCl(pH7.5) |
50 mM | KCl |
1 mM | DTT |
0.1 μM | ATP |
50% | グリセロール |
添付Buffer組成(10×)
500 mM | Tris-HCl(pH8.0) |
100 mM | MgCl2 |
50 mM | DTT |
標識をせずにリン酸化反応を行う場合は、反応液に終濃度1 mMとなるようATPを加える。なお、本酵素にはATPは添付されていない。(製品コード 4041のATPが利用可能)
活性の定義
Micrococcal nucleaseで活性化した仔牛胸腺DNAを基質として、37℃、pH7.6において、30分間に1 nmolの[γ-32P]ATPを酸不溶性沈殿物に取り込む酵素活性を1 Uとする。
活性測定用反応液組成
50 mM |
Tris-HCl(pH7.6) |
10 mM |
MgCl2 |
1 mM |
DTT |
100 μM |
[γ-32P]ATP |
0.2 mg/ml |
5'-OH DNA |
品質管理データ
用途
- DNAおよびRNAの5’末端の標識
- 合成DNAリンカーの5’末端のリン酸化
起源
Escherichia coli carrying the plasmid encoding T4 pse T gene
一般的性質
- 分子量
約140,000
- サブユニット
分子量33,000のサブユニットホモオリゴマー。活性発現時はテトラマーであると推定される。
- 至適pH
リン酸化反応、交換反応、脱リン酸化反応のそれぞれで至適pHが異なる。
リン酸化反応:pH6.5~8.5、交換反応:pH6.2~6.6、脱リン酸化反応:pH6.0
- 補因子
Mg2+(10 mM at pH7.6)を要求。他にMn2+、Zn2+でも可。
還元剤要求性(5 mM DTTで最大活性を示す。10 mM 2-メルカプトエタノールあるいは10 mMグルタチオンで代用できるが、それぞれ5 mM DTTのときの活性に対して、80%、70%に活性が低下する)。
- 阻害剤
リン酸、ピロリン酸、リン酸ナトリウム:7 mM 50%阻害5)
硫安:7 mM 75%阻害