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Protocols

LDH Cytotoxicity Detection Kit

Standard protocol

LDH Cytotoxicity Detection Kit(製品コード MK401)
■使用上の注意
1. 測定の妨害
 以下の場合は測定を妨害する可能性があります。
血清または測定物質中にLDHが存在するとき(「次項2.試薬」、「■コントロールの設定」参照)。
細胞性細胞傷害の測定において、傷害をうけたeffector細胞から放出されるLDHが存在するとき(「■コントロールの設定」、「■細胞性細胞傷害活性の測定」参照)。
LDHまたはDiaphoraseの酵素活性を阻害する物質を含むとき(「■コントロールの設定」参照)。
2. 検体の種類
 細胞を含まない培養上清(約250×gの遠心で細胞を取り除く)を使用してください。
 通常、この培養上清はLDHの活性が低下することなく、4℃で数日間保存できます。

■本キット以外に必要な器具、試薬類
1. 器具
37℃ インキュベーター
マイクロプレートに対応するローターをもつ遠心機
490-492 nmのフィルターをもつマイクロプレートリーダー
(対照波長を使うのならば、600 nm以上のフィルターが必要)
顕微鏡
血球計算盤
マイクロピペット(100 μl)
滅菌済ピペットのチップ
96ウェルプレート
細胞を培養するときに使用するもの:細胞培養用
   浮遊細胞-丸底またはV底
   接着細胞-平底
発色するときに使用するもの:ELISA用

2. 試薬
測定培地
ヒトや動物の血清はLDHを含むので、測定においてバックグラウンドの吸光度を増加させます。したがって、低血清濃度(例えば1%以下)での使用や血清の代わりに1%BSA(w/v)の使用をお薦めします。
Triton X-100溶液(測定培地で2%溶液とする)
Triton X-100溶液(最終濃度1%)を添加して細胞に傷害をおこさせることにより、放出されるLDH酵素活性の最大量を決定できます。この濃度ではLDH活性には影響を与えません。
HCl反応停止液(1N)
反応停止液を加えなくても反応産物を測定することはできますが、反応停止液を50 μl/ウェル(最終濃度0.2 N HCl)加えることにより酵素反応を停止することができます。
LDH標準液
放出されたLDHの活性をパーセントまたは吸光度での相対的な値よりU/mlで 計算させるのならば、LDH標準液を使って検量線を作成してください。

■反応混合液の調製
1. Solution A:Catalyst(青キャップ)
凍結乾燥品1本に蒸留水1 mlを加え10分間混合し、完全に溶解させる。
溶解したCatalyst 溶液は4℃で数週間安定である。
2. Solution B:Dye Solution(赤キャップ)
凍結しているDye Solutionを融解し、そのまま使用する。
1度融解したDye Solutionは4℃で数週間安定である。
3. Soution C : 反応混合液
100回分:使用直前にSolution A 250 μlとSolution B 11.25 mlを混合する。
400回分:使用直前にSolution A 全量(1 ml)とSolution B 全量(45 ml)を混合する。
*反応混合液は保存できないので、必ず使用直前に調製すること。

■コントロールの設定
パーセント細胞傷害を計算するために、それぞれの実験系において以下の1~3のコントロールを行う(表1参照)。
1. バックグラウンドコントロール
測定する培地に含まれるLDH活性を測定する。このコントロールで得られた吸光度の値を他で得られたすべての値から差し引く。
2. 低コントロール
無処理の細胞から放出されるLDH活性、つまり自然に放出されるLDH活性を測定する。
3. 高コントロール
細胞から放出されうる最大のLDH活性、つまり、Triton X-100溶液の添加により最大に放出されるLDHの活性を測定する。
表1.コントロール一覧
ウェルの内容物 バックグランド
コントロール
低コントロール 高コントロール 物質
コントロールI
物質
コントロールII
実験系
測定培地 200 μl 100 μl
100 μl (50 μl)
細胞
100 μl 100 μl

100 μl
Triton X-100溶液
(測定培地中に2%と
なるように調製する)


100 μl


測定物質または
effector細胞



100 μl 50 μl 100 μl
LDH標準液



50 μl
注:バックグランド・低・高コントロールは実験を行う際、必ず決定すること。

次の2つのコントロールは任意で設定する。
4. 物質コントロール I
測定物質に含まれるLDH活性を示す。細胞性細胞傷害を測定するとき、このコントロールはeffector細胞から放出されるLDH活性を示す。
5. 物質コントロール II
測定物質自身がLDH活性を妨げているかどうかを示す。このコントロールは以下の方法で測定する。
ELISA用96ウェルプレートの3カ所に、測定培地で希釈した測定物質溶液を50 μl/ウェル入れて、LDH標準液(0.05 U/ml)を50 μl/ウェル加える。次にSolution Cを100 μl/ウェル加えてマイクロプレートリーダーを用いて吸光度を測定する。50 μl/ウェルのLDH溶液(0.05 U/ml)、50 μl/ウェルの測定培地、100 μl/ウェルの反応混合液を混合したものをコントロールとし、その吸光度と測定した吸光度とを比較して測定する。

■細胞傷害の計算方法
《細胞傷害の割合の決定》
実験値、コントロール値とも吸光度を3連で測定し、その平均値を求める。それぞれの平均値よりバックグラウンドコントロールで得た吸光度の平均値を引く。その結果を次の等式に代入する。


《細胞性細胞傷害の割合の決定》
実験値、コントロール値とも吸光度を3連で測定し、その平均値を求める。それぞれの平均値よりバックグラウンドで得た吸光度の平均値を引く。その結果を次の等式に代入する。


■予備実験(最適なtarget細胞の濃度の決定)
細胞の種類によってLDHの含有量が異なるため、あらかじめ、最適な細胞濃度を予備実験で決定する必要がある。一般に、この最適な細胞濃度は、低コントロールと高コントロールの差が最大となるところに設定する。ほとんどの細胞系では、最適細胞濃度は、0.5~2×10 4 cells/200 μl/ウェル(=0.25~1.0×105cells/ml)の範囲内になる。

測定方法
1. 細胞培養用96ウェルプレート全てのウェル(バックグランドコントロールを除く)に測定培地を100 μlずつ加える。
2. 細胞を測定培地で洗浄した後、2×106 cells/ml濃度の細胞懸濁液を測定培地を用いて調製する。
3. この細胞懸濁液の2倍段階希釈系列を1.のプレート上に作る(3ウェルを1組とする;表2参照)。まず、測定培地100 μlを含むB1~B3 ( B7~B9 )のウェルに細胞懸濁液をマイクロピペットを用いて100 μlずつ加え、混合する(希釈1;表2参照)。 次にこれらのウェルから希釈細胞懸濁液を100 μlずつ取り、測定培地100 μlが入っているC1~C3(C7~C9)のウェルに移して混合する(希釈2;表2参照)。同様の操作を希釈14まで14回行う。
4. プレート上に以下のコントロールを作る。
1) バックグラウンドコントロール:3ウェルに測定培地を200 μlずつ加える。(表2;A1~A3 )
2) 低コントロール(=自然に放出されるLDH):希釈細胞懸濁液を100 μl含むプレートの左半分のウェル(表2;B~Hの1~6)に測定培地を100 μlずつ加える。
3) 高コントロール(=最大に放出されうるLDH):希釈細胞懸濁液を100 μl含むプレートの右半分のウェル(表2;B~Hの7~12)にTriton-X溶液を100 μlずつ加える。
5. 本実験に用いるのと同じ時間、培養条件(37℃、5% CO2、90%湿度)で細胞を培養する。
6. 培養後、250×gで10分間、96ウェルプレートを遠心する。
7. 上清を注意深く、100 μl/ウェルずつ取って(細胞の沈殿を乱さない)、ELISA用96ウェルプレート上の対応したウェルに移す。
8. 得られた上清中のLDH活性を決定するために、それぞれのウェルにSolutionCを100 μlずつ加えて、室温で30分間、静置する。この間、プレートは遮光しておく。
9. マイクロプレートリーダーを用いて、490または492 nmでサンプルの吸光度を測定する。対照波長は600 nm以上にする。
表2.最適細胞濃度の測定:96ウェルプレートの配置
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
A バックグランド
コントロール
     
B 細胞懸濁液
希釈1
希釈8 細胞懸濁液
希釈1
希釈8
C 希釈2 希釈9 希釈2 希釈9
D 希釈3 希釈10 希釈3 希釈10
E 希釈4 希釈11 希釈4 希釈11
F 希釈5 希釈12 希釈5 希釈12
G 希釈6 希釈13 希釈6 希釈13
H 希釈7 希釈14 希釈7 希釈14
低コントロール 高コントロール
       (3つのウェルを1組としてテストする)

■操作方法
◇可溶性物質の細胞傷害活性の測定◇
《細胞懸濁液での測定方法》
1. 測定物質(mediators、細胞溶解性または細胞傷害性物質)を測定培地で2倍ずつ段階希釈し、それぞれ希釈液を細胞培養用の96ウェルプレートの所定のウェルに100 μlずつ加える(3ウェルを1組とする;表3参照)。
2. 測定培地で細胞を洗浄した後、予備実験で決定した最適濃度の細胞懸濁液を測定培地を用いて調製する。
3. 希釈した測定物質100 μl含むウェル 1.に、この最適濃度の細胞懸濁液を100 μlずつ加える。
4. プレート上に以下のコントロールを作る(表3 参照)。
1) バックグラウンドコントロール:3ウェルに測定培地を200 μlずつ加える。
2) 低コントロール(=自然に放出されるLDH):3ウェルにそれぞれ細胞懸濁液と測定培地を100 μlずつ加える。
3) 高コントロール(=最大に放出されうるLDH):3ウェルにそれぞれ細胞懸濁液とTriton-X溶液を100 μlずつ加える。
4) 物質コントロール I:3ウェルにそれぞれ測定培地と測定物質(測定に用いる最大の濃度のもの)を100 μl/ウェル加える。
5. 37℃、5% CO2、90%湿度、の条件で細胞を培養する(2~24時間)。
6. 培養後、250×gで10分間、96ウェルプレートを遠心する。
7. 上清を100 μl/ウェル注意深く取って(細胞の沈殿を乱さないよう注意する)、ELISA用96ウェルプレート上の対応するウェルに移す。
8. それぞれのウェルにSolutionCを100 μl加えて、室温で30分間、静置する。この間MTPは遮光しておく。
9. マイクロプレートリーダーを用いて、490 nmまたは492 nmでサンプルの吸光度を測定する。対照波長は600 nm以上とする。
10. 傷害を受けた細胞の割合を計算する(「■細胞傷害の計算方法」参照)。
表3.物質IとIIの細胞傷害活性の測定:96ウェルプレートの配置
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
A バックグランド
コントロール
物質コントロールI
(希釈1)
物質コントロールII
(希釈1)
 
B 測定物質I
希釈1
測定物質I
希釈8
測定物質II
希釈1
測定物質II
希釈8
C 希釈2 希釈9 希釈2 希釈9
D 希釈3 希釈10 希釈3 希釈10
E 希釈4 希釈11希釈4希釈11
F 希釈5希釈12希釈5希釈12
G希釈6希釈13希釈6希釈13
H希釈7低コントロール希釈7高コントロール
測定物質Iの2倍希釈系列
+細胞懸濁液
測定物質IIの2倍希釈系列
+細胞懸濁液
             (3つのウェルを1組としてテストする)

《接着細胞での測定方法》
1. 測定培地で細胞を洗浄した後、予備実験で決定した濃度に細胞を希釈し、細胞培養用96ウェルプレートに細胞懸濁液を100 μl/ウェル加える。バックグラウンドコントロールと物質コントロール Iのウェルには細胞を加えない。
2. 細胞を確実に接着させるために、細胞をインキュベーター(37度、5% CO2、90%湿度)で1晩、培養する。
3. 測定物質を別の96ウェルプレート上で、最終液量200 μl/ウェルとなるよう、測定培地で2倍ずつ段階希釈する。
4. 2.の培養した接着細胞のウェルから測定培地を取り除いて(1晩培養している間に、接着細胞から放出されたLDH活性を取り除くため)、それぞれのウェルに新しい測定培地を100 μl加える。
5. 接着細胞を含む対応するウェルに、3.の希釈した測定物質を100 μlずつ移す。
6. プレート上に以下のコントロールを作る。
1) バックグラウンドコントロール:3ウェルに測定培地を200 μlずつ加える。
2) 低コントロール(=自然に放出されるLDH):細胞を100 μl含む3ウェルに測定培地を100 μlずつ加える。
3) 高コントロール(=最大に放出されうるLDH):細胞を100 μl含む3ウェルにTriton-X溶液を100 μlずつ加える。
4) 物質コントロール I:測定培地100 μlを含む3ウェルに測定物質(測定に用いる最大の濃度のもの)を100 μl/ウェル加える。
7. 《細胞懸濁液での測定方法》の5.~10.と同様に測定する。

《細胞性細胞傷害活性の測定》
1. effector細胞(NK cells, LAK cells, CTLs)を測定培地を用いて2倍ずつ段階希釈し、100 μlずつ細胞培養用96ウェルプレートに加える。(表4、希釈1-14)
2. 測定培地でtarget細胞を洗浄した後、予備実験で決定した濃度に細胞を希釈する。
3. 1.のeffector細胞の希釈液に2.のtarget細胞懸濁液を100 μl/ウェル加える。(=effector-target細胞混合液、表4参照)
4. プレート上に以下のコントロールを作る(表4参照)。
1) バックグラウンドコントロール:3ウェルに測定培地を200 μlずつ加える。
2) 低コントロール(=自然に放出されるLDH):測定培地を100 μl含む3ウェルにtarget細胞を100 μlずつ加える。
3) 高コントロール(=最大に放出されうるLDH):Triton-X溶液を100 μl含む
3ウェルにtarget細胞を100 μlずつ加える。
4) 物質コントロールI(=effector細胞コントロール=effector細胞が自然に放出するLDH):effector細胞100 μlを含む3ウェルに測定培地を100 μlずつ加える。
5. 《細胞懸濁液での測定方法》の5.~10.と同様に測定する。
表4.細胞性細胞傷害の測定:96ウェルプレート中の配置
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
A バックグランド
コントロール
target細胞
低コントロール
target細胞
高コントロール
 
B 希釈1 希釈8 希釈1 希釈8
C 希釈2 希釈9 希釈2 希釈9
D 希釈3 希釈10 希釈3 希釈10
E 希釈4 希釈11 希釈4 希釈11
F 希釈5 希釈12 希釈5 希釈12
G 希釈6 希釈13 希釈6 希釈13
H 希釈7 希釈14 希釈7 希釈14
effector-target細胞混合液 effector細胞コントロール

《動物細胞培養における細胞死の測定》
1. 培養細胞から12あるいは24時間の一定の間隔でサンプル(0.5~1 ml)を集める。
2. サンプルを遠心して、注意深く培養上清を取る。細胞のない培養上清は酵素活性を失うことなく、4℃で数日間保存が可能である。
3. 培養上清を測定培地で2倍ずつ段階希釈し、100 μlずつ96ウェルプレートに加える。
4. それぞれのウェルにSolutionCを100 μl加えて、室温で30分間、静置する。この間、プレートは遮光しておく。
5. マイクロプレートリーダーを用いて、490または492 nmでサンプルの吸光度を測定する。対照波長は600 nm以上とする。
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