Lacto-N-biosidase

Application1:ウシAsialofetuinのLacto-N-biosidase消化

Bovine fetuinは分子量48,000のウシ胎児血清由来糖タンパク質で、N結合型およびO結合型糖鎖を含有している。N結合型糖鎖の構造はN-Acetyllactosamine typeのバイアンテナ、トリアンテナ型糖鎖で非還元末端にシアル酸が結合しており、トリアンテナ型糖鎖のうち20~30%は非還元末端に1型構造を持つことが報告されている3,4)。このfetuinからシアル酸を除去したAsialofetuinにLacto-N-biosidaseを作用させた時の糖鎖構造の変化をHPLCで分析した。

操作手順

Asialofetuin 100 pmolとLacto-N-biosidaseを含む40 mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)10 μlを37℃で2時間保持した後煮沸して反応を止める。反応液を濃縮乾固した後Glycopeptidase F(製品コード 4450)2.5 mUを含む0.2 Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH8.5)10 μlを加えて37℃で2時間反応させてN結合糖鎖を遊離させる。煮沸して反応を止めた後凍結乾燥し、GlycoTAGで糖鎖をPA化しHPLCで分析を行った。カラムはPALPAK Type N(製品コード CA8100)およびType R(終売)を用いた。

結果

Lacto-N-biosidaseの作用によりAsialofetuinの糖鎖の組成が変化した。PALPAK Type Rでの分析結果から、未処理のAsialofetuinではPA-Sugar Chain 001、002、003の割合が0.1:0.6:0.3であるのに対してLacto-N-biosidase 10 μUで処理した場合は0.3:0.6:0.1となり1型構造を持つトリアンテナ型糖鎖はほとんどがバイアンテナ型糖鎖に変換されたことがわかった。

  Lacto-N-biosidase