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Anti-Human Influenza Virus

C179:インフルエンザA型中和抗体の有用性

【抗体の認識部位についての研究3)

C179抗体は、インフルエンザA型(H2N2)のA/Okuda/57株で免疫感作したBALB/cマウスの脾臓細胞とマウスミエローマP3U1との融合株(大阪府立公衆衛生研究所の奥野良信先生らのグループにより樹立された)に由来するモノクローナル抗体である。さまざまな型のインフルエンザウイルスを感染させたMDCK細胞(Madin-Darby canine kidney)の抗体染色の結果から、A型H1N1, H2N2亜型に特異的に反応することが確認された。さらに、この抗体で染色されるすべてのウイルス株に対して、ウイルス中和活性およびウイルスと細胞の融合阻止活性をあわせもつことがわかった。同グループはC179抗体の認識部位を調べるために、C179抗体存在下でA/Suita/1/89とA/Izumi/5/65ウイルスの培養を行い、それぞれより2種のウイルス変異株を分離した。そして、変異ウイルスのHAコード配列を親株ウイルスのそれと比較解析したところ、HAタンパク分子中の2ヶ所でアミノ酸変異が認められた。つまり、C179との反応性の喪失は、これらのアミノ酸変異に起因することがわかった。これにより、この抗体の認識部位は、HA分子の幹領域中の2ヶ所のアミノ酸配列、つまりTGLRN(HA1318-322)とGITNKVNSVIEK(HA247-58)であり、ウイルス間で高度に保存された変異を受けにくい領域であることが判明した。

【インフルエンザウイルスに対する予防効果4)

奥野らのグループは、マウスに対するインフルエンザウイルスの感染実験を行い、C179抗体による予防効果を調べた。各10匹のBALB/cマウスに対して、3種類の濃度のC179抗体を含むPBS溶液(1.0, 0.1, 0.01 mg/ml)をそれぞれ1 ml/匹ずつ腹腔内投与し、1日後にA/FM/1/47ウイルス(H1N1亜型)を25 μl(2000 FFUを含む)ずつ鼻腔内接種した。なお、12匹のBALB/cマウスにはウイルスだけを接種し、対照とした。
その結果、対照群のマウスでは、12匹中8匹が死亡(5日目に2匹、6日目に5匹、8日目に1匹)したのに対し、C179抗体を0.1 mg以上投与したマウスは14日後もすべて正常だった。このように、C179抗体による予防効果が示された。

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