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SmartChip™ Real-Time PCR System

ヒトや農作物からの病原体の検出

臨床分野や農業分野などの様々なサンプルに潜むウイルス、細菌および真菌といった病原体を検出およびモニタリングすることは非常に重要である。このような分野では、複数サンプルかつ多数病原体を精度と再現性良く迅速にプロファイリングできることが理想的なワークフローとなり、SmartChipシステムの様なハイスループットリアルタイムPCRシステムの利用が考えられる。

SmartChipリアルタイムPCRシステムが利用されている病原体検出の1つの例は、細菌性膣炎(BV)を引き起こす微生物の迅速かつ正確な同定である。米国では毎年2,100万人以上の女性がBVに罹患しており、BVは婦人科領域の研究機関にとって非常に重要な課題となる。BVの原因はすべてが解明されておらず、BVサンプル中の微生物を特定することで、この疾患への理解が深まる可能性がある。米国の臨床検査会社での使用例として、3種類のコントロールと19種類の異なる病原体についてBacterial Vaginosisパネル(表1)を準備し、SmartChipシステムを用いたハイスループットリアルタイムPCR解析により、迅速な検査が実施されている。
表1
細菌性腟炎関連微生物パネルの対象病原体
アトポビウム・バギナエ
Atopobium vaginae
モビルンカス・クルティシイ
Mobiluncus curtisii
バクテロイデス フラジリス
Bacteroides fragilis
モビルンカス・ムリエリス
Mobiluncus mulieris
カンジダ・アルビカンス
Candida albicans
マイコプラズマ・ゲニタリウム
Mycoplasma genitalium
カンジダ・グラブラタ
Candida glabrata
マイコプラズマ・ホミニス
Mycoplasma hominis
カンジダ・クルセイ
Candida krusei
淋菌
Neisseria gonorrhoeae
カンジダ・パラプローシス
Candida parapsilosis
プレボテラ・ビビア
Prevotella bivia
カンジダ・トロピカリス
Candida tropicalis
腟トリコモナス
Trichomonas vaginalis
トラコーマクラミジア
Chlamydia trachomatis
ウレアプラズマ・ウレアリチカム
Ureaplasma urealyticum
ガードネレラ・バジナリス
Gardnerella vaginalis
ヒトアルブミン
単純ヘルペスウイルス1型
HSV1
RNaseP
単純ヘルペスウイルス2型
HSV2
βグロブリン
Bacterial Vaginosis Panel(BVパネル)は、細菌、酵母菌、原虫、真菌、ウイルス性の病原菌を含む19種類の微生物と3種類のインターナルポジティブコントロールを同定する。

サンプルをPre-amplificationした後、SmartChip Real-Time PCR Systemの自動ワークフローにより、22項目144サンプルの解析をハンズオンタイムわずか30分、トータルランタイム6時間で行うことが可能で、1日に432サンプルまで解析可能である。SmartChipシステムは、サンプルあたりのコストを削減する一方で、再現性の高いワークフローおよびハイスループットなプラットフォームにより、病原体微生物を高感度・特異的かつ正確に同定できる。

SmartChip Real-Time PCR Systemの強みを活かしたもう1つの研究分野は、農作物からの真菌検出である。北アメリカで栽培される農作物の大部分は、様々な真菌性の病気によって収量および品質の低下により不作となる可能性がある。赤かび病(Fusarium Head Blight : FHB)は、そのような真菌性の病気の1つであり、SmartChipシステムが研究に利用されている。FHBは、小麦、大麦、トウモロコシおよびオート麦を含む広範囲の農作物に感染することができ、19世紀後半に初めてFHBが確認され、20世紀半ばには北アメリカに登場し、徐々に拡大し続けた。FHBは、感染地域で大雨が降った後の風による飛散や、感染種子の播種により広がる。したがって、多数のサンプル中のFHBを正確に識別・モニタリングし、現在FHBが存在する地域を特定し、他の地域への拡大を防止することが重要となる。

FHBは、Fusarium graminearumFusarium culmorumFusarium avenaceum、およびFusarium crookwellenseの4種の菌によって引き起こされる。場合によっては、感染を目視でも検出することができるが、目視検査は、FHBをモニタリングする方法としては非効率的かつ時間がかかる。さらにFHBは感染性の後期段階にならないと目視で確認できないこともあり周辺農作物への拡散を防ぐ際には手遅れとなる。ハイスループットリアルタイムPCRは、多数の農作物試料中のFHBを迅速かつ高感度に検出するのに適した方法で、SmartChipシステムは、FHB研究グループのスループット性をさらに向上、分析を高速化することで、複数のサンプル中の様々なFusarium種の解析を可能にした。

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