ウイルスベクター製造

CereAAV™改変体による脳への高効率な遺伝子導入

タカラバイオでは脳指向性の高いAAVベクター「CereAAV」を開発し、マウスおよびマーモセットの脳、マウス網膜内の細胞に対する高い遺伝子導入効率を確認しました(詳細はこちら)。今回、CereAAVの挿入ペプチド配列中のアミノ酸を置換することで、CereAAV改変体を新たに作製しました。そこで、従来のAAVベクター(AAV2、AAV9、CereAAV)を比較対象とし、マウスへの尾静脈投与によるCereAAV改変体の脳、肝臓、肺における遺伝子発現を確認しました。


【実験方法】
精製AAVベクターの調製
293T細胞へ各種プラスミドを共導入し、ルシフェラーゼ遺伝子を搭載したAAVベクターを作製した。抽出液をアフィニティクロマトグラフィーおよびCsCl超遠心にかけてAAVベクターを精製し、最終調製バッファーに置換したものを精製AAVベクターとした。

AAVベクターのマウス尾静脈投与
各AAVベクター(AAV2、AAV9、CereAAV、CereAAV改変体)をBalb/c マウスに対し、1×1011 vg/マウスで尾静脈投与した(N=6)。30日後に各組織を採取し、組織中のルシフェラーゼ活性を評価した。


【結果】
CereAAV改変体は、マウスの脳においてAAV9よりも80倍程度高いルシフェラーゼ活性を示し、この値は、CereAAVよりも10倍高い値であることが確認された。さらに、このCereAAV改変体はAAV9よりも肝臓への指向性が低く、かつCereAAVよりも肺への指向性が低いことを確認した。
Relative Luciferase activity(AAV9=1) ルシフェラーゼ活性を総タンパク質量で標準化し、AAV9を1とした時の相対値グラフ
(ルシフェラーゼ活性を総タンパク質量で標準化し、AAV9を1とした時の相対値)

タカラバイオでは、CereAAVシリーズ (CereAAVおよびCereAAV改変体) を用いたアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター作製受託を承っております。詳細については、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
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