Lentivirus Particle(Vectalys社)概要

Lentivirus Particleシリーズは、Vectalys社とClontech社が共同で開発したready-madeの高純度組換えレンチウイルス粒子で、Tet発現誘導、iPS細胞作製、蛍光タンパク質発現などに使用できる製品が用意されている。Vectalys社独自の高い精製技術により、高純度、高タイターで機能性に優れた高品質なウイルス粒子の提供が可能となっている。

Vectalys社Lentivirus Particleの特長
  • 幅広く細胞に適応:神経細胞、内皮細胞、幹細胞を含む多くの初代細胞にも、ほぼ100%遺伝子導入が可能
  • 高い導入効率:高いMOIで使用でき、初代細胞での高発現が可能
  • 高い細胞生存率:細胞毒性が極めて低い
  • 機能性タイター:ウイルス粒子数ではない、感染能力を持つウイルス数でウイルス力価を表示
  • 高タイター:>1×109 transduction units/ml(TU/ml)
  • 安全:SIN型(自己不活性型)で安全性が高い
  • 簡便:レンチウイルスパーティクルを解凍して、滴下するだけ(マニュアル参照)
Vectalys社のLentivirusは複数の精製工程を重ねて精製されており、高タイター、高純度を実現している。高タイターのため、高い遺伝子導入効率を得ることができ、高純度で細胞毒性が低い。そのため、細胞生存率を下げることなく、初代細胞、不死化細胞、接着細胞、浮遊細胞など、様々なタイプの細胞への遺伝子導入を行うことができる。

最新技術によるレンチウイルス精製プラットフォームで作製
高タイターウイルス液の作製は、Vectalys社が開発した独自のプロセスによって行われる。無血清培地で培養した293T細胞を用いてウイルスを産生させ、ダイアフィルトレーション方式による限外ろ過を重ねてウイルス粒子を濃縮、精製し、最後にタイター測定とRCLのチェックを行う。この工程により、安全で、そのまま感染実験に使用可能な、高タイター、高純度のレンチウイルスベクターが作製できる。

高タイターウイルス粒子作製プロセスの概要
図1.高タイターウイルス粒子作製プロセスの概要


単なるウイルス粒子数ではない機能性タイター
Vectalys社のレンチウイルス粒子は、>1×109 TU/ml(transduction unit/ml)の機能性タイターを示している。機能性タイターとは、単なるトータルの粒子数ではなく細胞への感染能をもつウイルス数の測定値で、HCT116細胞への形質導入率を測定している。他社のタイター測定法と比べて、Vectalys社の方法は機能性粒子数を正確に測定している。実質上、Vectalys社の製品には、感染性を持つウイルス粒子が他社製品の100倍以上含まれている。

単なるウイルス粒子数ではない機能性タイター

高タイターと高純度
ウイルスタイターが高いほど、レンチウイルスによる形質導入の速度、容易性、効率が高くなる。低いMOIでも、レンチウイルスの感染が難しいタイプの細胞にも、高タイターウイルス液では効率よく感染させることができる。また、レンチウイルスの純度が高ければ細胞毒性が劇的に低減でき、デリケートな細胞への形質導入効率を上げることができる。

Vectalys社GFP発現レンチウイルスのIMR90細胞への形質導入効率
図2.Vectalys社GFP発現レンチウイルスのIMR90細胞への形質導入効率
MOI=5という低い条件でも高タイターレンチウイルスを用いれば95%以上の効率が得られる。
MOIを増やすことで非常に高い発現効率が得られる。

無血清培地でのウイルス産生
無血清培地でウイルスを産生させることにより、レンチウイルス品質を向上させている。無血清培地からのウイルス精製の場合、除去が必要なタンパク質の混入量が少なくなるため、ウイルスタイター(TU/ml)を上げることができ、transduction unit(TU;形質導入力価)に対するphysical particle(PP;物理的粒子数)の比(PP/TU)が減少する(すなわち、有効な粒子に対する無効な粒子の割合が少なくなる)。その結果、ウイルス感染時の形質導入効率が上がる。さらに、Vectalys社のウイルス粒子は、一般的な限外ろ過による精製法に比べて高純度である(図3)。

幅広い細胞への適応
SIN型ウイルスで、パントロピックなエンベロープタンパク質VSV-Gを持つ組換えレンチウイルスである。EF1αプロモーターを利用しており初代培養細胞や非分裂細胞等、様々な哺乳類細胞への遺伝子導入が可能である。

Vectalys社精製法と一般的精製法で作製したレンチウイルスの純度比較
図3.Vectalys社精製法と一般的精製法で作製したレンチウイルスの純度比較
Vectalys社のレンチウイルス粒子は、Transducing unitを10倍量用いて比較しても、
一般的な限外ろ過法に比べて混入タンパク質量が明らかに少ない。

Vectalys社Lentivirus Particle製品

iPS細胞作製用レンチウイルス
iPS細胞の作製に必要な複数の遺伝子を搭載したTet誘導性組換えレンチウイルスである。
PTRE3Gプロモーターの下流にYamanaka factor(Oct4、Sox2、Klf4、c-Myc)が搭載されており、これらを体細胞中で発現させることにより、iPS細胞の産生が可能となる。Tet誘導システムの他、EF1αプロモーターを用いた構成発現株作製用ウイルスも販売している。また、Oct4、Sox2、Klf4、c-Mycを個別に発現するウイルスも用意されている。

細胞蛍光標識用レンチウイルス
極めて明るい蛍光タンパク質遺伝子を搭載した組換えレンチウイルス。
赤:tdTomato、mCherry、緑:ZsGreen1、青:AmCyan1、黄:ZsYellow1の4色の蛍光を取り揃えている。目的細胞への導入後、蛍光タンパク質は主に細胞質で発現し、細胞トレースやトラッキングに用いることができる。

細胞内局在化研究用レンチウイルス
特定のオルガネラや細胞内構造に蛍光タンパク質を局在化させる機能を搭載したレンチウイルス粒子である。目的細胞に細胞内局在化タグを融合させた蛍光タンパク質遺伝子を導入してレポーター細胞株を作製し、細胞骨格研究やオルガネラ構造研究、生細胞内の機能研究、タンパク質局在化研究などに用いることができる。

Tet発現誘導用レンチウイルス
目的細胞にTet-On 3Gトランス活性化因子を導入するためのready-madeのレンチウイルス粒子である。Tet-On 3Gシステムでは、ドキシサイクリン(テトラサイクリン誘導体)存在下でTet-On 3Gトランス活性化因子がPTRE3Gプロモーター領域に結合し、翻訳を活性化する。Tet-On 3Gシステムの利用により、PTRE3Gプロモーターの下流に挿入した遺伝子の翻訳を的確にコントロールすることができる。


iPS作製用ウイルスの構築に使用されている発現カセットのマップ
図4.iPS作製用ウイルスの構築に使用されている発現カセットのマップ

Vectalys社で使用実績のある細胞一覧
Vectalys社で使用実績のある細胞一覧

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