PCR産物末端の制限酵素切断

PCRを行う際、あらかじめプライマーの5’末端側に制限酵素認識配列を付加することにより、増幅断片に制限酵素切断部位を導入することができる。その切断部位を利用して同じ制限酵素で切断したベクターにクローニングする方法がよく用いられる。
この際に注意する点は、制限酵素はDNAの末端ぎりぎりにある認識配列は切断しないことがあるので、付加する制限酵素の認識配列のさらに5’側に任意の配列をつけておくことである。
表中の21種類の制限酵素について、各種制限酵素認識部位の5’側に0 (付加なし)、1、2または3塩基の任意の配列を付加したプライマーを用いてPCRを行い、PCR産物を精製後、各制限酵素による切断効率を確認した。(データは参考文献または自社データによる。)その結果、ほとんどの制限酵素で、その酵素の認識部位の5’側に3塩基以上付加することにより、その酵素で効率よく切断することができた。

参考文献
Zimmermann, K., Schögl, D. and Mannhalter, J.W. (1998) Biotechniques, 24, 582-584

制限酵素 末端からの塩基数
0 1 2 3
Aat II - + + +
Apa I - - ± +
BamH I - ± + +
Bgl II - - ± +
BstX I - ± + +
Cla I - ± + +
EcoR I - ± + +
EcoR V - + + +
Hind III - - + +
Kpn I - - + +
Nco I - - + +
Nhe I - + + +
Not I - - + +
Pst I - - ± +
Sac I - ± + +
Sal I + + + +
Sma I - ± + +
Spe I + + + +
Sph I - - + +
Xba I - ± + +
Xho I - - ± +

(+):切断可能 (±):完全に切断できない (-):切断不可
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