Osteocalcin EIA Kit (for Mouse)

オステオカルシン（Osteocalcin：OC）は、分子中に2～3残基のγ-カルボキシグルタミン酸（Gla）を含むヒトではアミノ酸49残基（分子量約5,900）、マウスではアミノ酸46残基のビタミンK依存性カルシウム結合非コラーゲン性タンパク質である。骨芽細胞のみで産生されていることから、標準的な骨芽細胞特異マーカーである。ハイドロキシアパタイト結合能のあるGla型オステオカルシンは骨形成のマーカータンパク質であり、一方、ハイドロキシアパタイト結合能のないGlu型は、相対して骨吸収マーカーとして着目されている。

Mouse Gla-Osteocalcin High Sensitive EIA Kit（製品コード MK127）は、マウスGla型のオステオカルシン（活性型オステオカルシン）を特異的かつ高感度に測定できるモノクローナル抗体を用いた定量キットである。捕捉用抗体（プレート固定化抗体）としてマウスオステオカルシンのC末端領域を特異的に認識するラットモノクローナル抗体をプレートに固相化し、Gla残基を持つオステオカルシン検出用モノクローナル抗体を標識抗体として組み合わせている。マウスのオステオカルシンは、C末端領域ではヒト、ウシなどの大型動物とは異なる配列を持っているため、C末端領域にエピトープを持つ抗体で抗原を捕捉することにより、ウシ抗原と交差反応せずにマウスオステオカルシンの測定が可能である。マウスESやiPS細胞といった多分化万能細胞からの骨芽系細胞への分化過程を、培地に含まれるウシ血清の影響を受けることなしにモニタリングすることができる。

Mouse Glu-Osteocalcin High Sensitive EIA Kit（製品コード MK129）は、マウスオステオカルシンC末端領域認識特異的抗体を固相プレート上の捕捉抗体とし、検出用抗体にオステオカルシンの21および24位にまたがるGlu残基に特異的なモノクローナル抗体を配置したサンドイッチタイプのEIAキットであり、微量抗原の高感度測定および安定した再現性の維持が可能である。また、Mouse Gla-Osteocalcin High Sensitive EIA Kit（製品コード MK127）と捕捉用抗体を共通化しており、両キットを用いたGla/Gluの同時検出において、Gla/Glu相対的な比較検討を行うことができ、骨形成と骨吸収を同時にモニタリングすることが可能である。

これらのキットはすべてプレートにあらかじめ抗体を固定化したプレコートタイプであるため、簡便な操作で多数のサンプルを同時に測定することができる。動物の由来または感度の点から、最適のキットの使い分けを推奨する。

製品コードMK127、MK129（96回用）

1.	抗マウスオステオカルシン抗体プレート（Gla型またはGlu型）	1枚（96 well：8 well×12 strips）
2.	ペルオキシダーゼ標識　抗オステオカルシンモノクローナル抗体（Gla型またはGlu型；凍結乾燥品）	11 ml用
3.	標準品（Gla型またはGlu型；凍結乾燥品）	1 ml用
4.	検体希釈液	11 ml×2
5.	基質液（TMBZ：3, 3', 5, 5'テトラメチルベンジジン）	12 ml

4 ℃

タカラバイオではオステオカルシン測定用EIAキットを各種取り揃えている。
使い分けを以下に示す。

由来動物種	製品名 （製品コード）	測定対象として最適な動物検体
		血清検体	尿検体
ヒト （Gla）	Gla-Type Osteocalcin (Gla-OC) EIA Kit （MK111）	ヒト、ウシ、ウサギ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、サル	いずれの動物でも測定不可* * 2つの抗体が認識するエピトープが離れているため、フラグメント化されたGla-OCは検出できない。
	Human Gla-Osteocalcin High Sensitive EIA Kit （MK128）	ヒト、サル
マウス （Gla）	Mouse Gla-Osteocalcin High Sensitive EIA Kit （MK127）	マウス	未確認
	Mouse Glu-Osteocalcin High Sensitive EIA Kit （MK129）	マウス	未確認
ラット （Gla/Glu）	Rat Gla-Osteocalcin High Sensitive EIA Kit （MK126）	ラット	未確認
	Rat Glu-Osteocalcin High Sensitive EIA Kit （MK146）
ブタ （Gla/Glu）	Pig Gla-Osteocalcin EIA Kit （MK139）	ブタ	ブタ