品質のよくない、分解を受けたRNAからも対応可能なcDNA調製キット

SMARTer® Universal Low Input RNA Kit for Sequencing

  • 次世代シーケンサーによるRNA-Seq(RNA Sequencing)解析のためのcDNA調製キット
  • 微量サンプル、poly AのないmRNA、RIN valueの低いサンプルに対応
  • ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)サンプル、LCMサンプルに有効
  • rRNAを除去した200 pg~10 ngのRNAから質の高いRNA-Seq(RNA Sequencing)解析データを取得可能
メーカー
略称
製品コード TaKaRa
Code
製品名 容量 価格(税別) 特記事項 説明書
データシート
ベクター情報
参考
資料
CLN 634938 Z4938N SMARTer® Universal Low Input RNA Kit for Sequencing
  • ライセンス
10回 ¥234,800
説明書・データシート・ベクター情報
CLN 634940 Z4940N SMARTer® Universal Low Input RNA Kit for Sequencing
  • ライセンス
25回 ¥469,700
説明書・データシート・ベクター情報
CLN 634945 Z4945N SMARTer® Universal Low Input RNA Library Prep Kit
  • ライセンス
10回 ¥391,400
説明書・データシート・ベクター情報
CLN 634946 Z4946N SMARTer® Universal Low Input RNA Library Prep Kit
  • ライセンス
25回 ¥782,800
説明書・データシート・ベクター情報

製品説明

SMARTer Universal Low Input RNA Kit for Sequencingは、RIN(RNA Integrity Number) valueが低く分解の進んだRNAやpoly Aを持たないmRNA、ごく微量のRNAサンプルから、シンプルで効率的なステップでRNA-seq(RNA Sequencing)解析用のcDNAを調製するキットである。total RNA からrRNAを除去した僅か200 pgのRNAサンプルも使用できる。
本製品は、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)サンプルやレーザーキャプチャーマイクロダイセクション法(LCM)を用いて採取されたサンプルのRNA-seqを目的として設計されており、遺伝子カバー率(body coverage)、再現性(reproducibility)、マッピングの精度(mappability)、相関性(ERCC correlation)において良好な結果が得られる。

  • Mappability>80%
  • Reproducibility>0.98
  • ERCC correlation>0.99
  • Number of genes>15,000
製品コード634945および634946はIlluminaシーケンス用のLow input library preparation kitを含む。

Illuminaシーケンス用のライブラリー調製には、クロンテック社のLow input library preparation kitをお使いください。

SMART technology

本製品は、SMART(Switching Mechanism At the 5’End of the RNA Template)technologyとrandom primerを利用している。random primerの利用により、ダメージを受けたRNAでも元のRNAの状態を反映してcDNAが合成でき、SMART technologyによって非増幅時と同様の存在比を保ったままcDNAを増幅することができる。これはトランスクリプトーム解析や遺伝子発現解析に求められる重要な条件である。

本製品を用いた操作フロー(図1)とサンプル調製の概要(図2)


図1.シーケンス解析までの流れ


図2.SMARTer Universal Low Input RNA Kitを用いたサンプル調製の概要

FFPEサンプルからのNGS解析の例

剪断化により劣化させたHuman Universal Reference RNAとBreast Carcinoma FFPEサンプル由来total RNAを調製し、Agilent 2100 Bioanalyzer electropherograms(RNA 6000 Pico chip)を用いて品質を比較した(図3、パネルA)。さらに、FFPE total RNA 500 ngからEpicentre RiboZero kit(Epicentre社)を用いてrRNAを除去し10 μlに濃縮後、SMARTer Universal Low Input RNA KitでN6-primed cDNA libraryを作製した(図3、パネルB)。
次にHuman Universal Reference RNA、FFPE Breast Carcinoma RNA、Human Brain Reference RNAからRiboZero kitを用いてrRNAを除去し、SMARTer Universal Low Input RNA Kit を用いてcDNAを合成した。なお、FFPEサンプルからのRNA抽出にはNucleoSpin FFPE RNA(製品コード 740969.10/.50/.250)を用いた。アダプター、インデックスを付加後、Illumina MiSeq Platformを用いてシーケンスを行い、(1×50 bpリード)、CLC Genomics Workbenchでトリミングしてマッピングを行った(表1)。

図3.Agilent 2100 Bioanalyzer electropherograms (RNA 6000 Pico chip)によるRNA劣化の確認

パネルA:Breast Carcinoma FFPEサンプル由来RNAと剪断化Universal Reference RNAのサイズ分布。 いずれも200 base以下に緩やかなピークが見られた。なお、RINは2.0~2.2の範囲であった。
パネルB:SMARTer Universal Low Input RNA Kitで増幅したRNAのサイズ分布
赤:Epicentre RiboZero kit処理RNA 40 nl(total RNA 2 ng相当)を18 cycle増幅
青:Epicentre RiboZero kit処理RNA 200 nl(total RNA 10 ng相当)を15 cycle増幅
緑:Epicentre RiboZero kit処理RNA 1 μl(total RNA 50 ng相当)を13 cycle増幅
いずれも元のRNAのサイズ分布を維持した状態で増幅されており、良質なライブラリーが作製された。

表1.シーケンス解析結果
Table I: Sequencing Results for N6 Libraries

Human Universal
(20 ng)
FFPE
Breast Cancer
(20 ng)
Human Brain
(10 ng)
Number of Reads7,580,3255,485,8653,006,898
Mapped to Genome(%)9998.794.3
Mapped to ORFs(%)855481
Mapped Uniquely(%)774872
rRNA(%)1.90.53.4
Number of Genes15,57417,96316,050

3種類のライブラリーとも、ヒトゲノムに対して高い割合でマッピングされており、ユニークなリードの割合が高く、適切な数の遺伝子が同定できた。

ライブラリーの相関性

SMARTer Universal Low Input RNA Kitを用いて調製した2種類のライブラリーの相関性(Pearson correlation statistics of expression (RPKM))を求めた。サンプルの調製法は図3、表1参照。


図4.SMARTer Universal Low Input RNA Kitで作製したライブラリーの相関性

パネルA:Human Universal Reference RNA各20 ngよりN6 primerを用いて2種類の独立したライブラリーを作製し、相関性を求めた。2種類のライブラリーは高い相関性を示した(Pearson, 0.959)。
パネルB:同じBreast Carcinoma (BC) tumorより作製された 2種類の独立したFFPEスライドから抽出した20 ngのtotal RNAを用いてライブラリーを調製し、相関性を求めた(Pearson, 0.855)。

遺伝子カバー率

Human Universal Reference RNA、凍結切片、およびFFPEサンプルからライブラリーを作製してRNA-seqを行った。100%スケールで各リードのパーセンタイルを求め、それぞれのライブラリーでノーマライゼーションを行って遺伝子カバー率を調べた。


図5.FFPEサンプルから調製したライブラリーの遺伝子カバー率
パネルA:Human Universal Reference RNAからdT CDS SMART primer(青)、またはN6 CDS SMART primer(赤)を用いてライブラリーを作製し、遺伝子カバー率を調べた。両方のライブラリーとも強いバイアスは見られず、遺伝子全体をカバーしていた。
パネルB:同一ドナーのbreast carcinomaの新鮮組織、またはFFPEサンプルから抽出したRNAを用いてライブラリーを作製し、遺伝子カバー率を調べた。
  • FFPEサンプル-N6 CDS SMART primerでcDNA合成(赤)
  • 新鮮凍結組織-全長(RIN 7.9)からdT CDS SMART primerでcDNA合成(青)
  • 新鮮凍結組織-化学的に剪断しN6 CDS SMART primerでcDNA合成(緑)
dTプライマーのカバー率はN6プライマーに比べて低かった。

内容

Box 1
SMARTer II A Oligonucleotide (24 μM)
Control Sheared Total RNA (50 ng/μl)
Box 2
3’ SMART N6 CDS Primer II A (24 μM)
PCR Primer IIA (12 μM)
5X First-Strand Buffer (RNase-Free)
SMARTer dNTP Mix (dATP, dCTP, dGTP and dTTP, 20 mM each)
Dithiothreitol (DTT; 100 mM)
BSA (0.1%)
SMARTScribe Reverse Transcriptase (100 U/μl)
Nuclease-Free Water
RNase Inhibitor (40 U/μl)
Purification Buffer (10 mM Tris-Cl, pH 8.5)
RsaI (10 U/μl)
RsaI Buffer (10X)
Advantage 2 PCR Kit
50X Advantage 2 Polymerase Mix
10X Advantage 2 PCR Buffer
10X Advantage 2 SA PCR Buffer
50X dNTP Mix (10 mM each)
Control DNA Template (100 ng/μl)
Control Primer Mix (10 μM each)
PCR-Grade Water

本製品以外に必要な試薬、機器(主なもの)

下記の製品は本キット中に含まれません。下記の製品はユーザーマニュアルに記載のProtocolで使用できることが確認されています。他製品では代替はできないため、ご注意ください。
  • シングルチャンネルピペット: 10 μl、20 μlおよび200 μl 各1本
  • 8連チャンネルピペット: 20 μl、200 μl 各1本
  • フィルターピペットチップ: 10 μl、20 μlおよび200 μl 各1箱
PCR 増幅およびバリデーション:
  • First-Strand cDNA 合成専用のPCR サーマルサイクラー
  • High Sensitivity DNA Kit(Agilent社 製品コード 5067-4626)
  • IsoFreeze Flipper Rack(MIDSCI社 製品コード TFL-20)
  • IsoFreeze PCR Rack(MIDSCI社 製品コード 5640-T4)
  • Nuclease-free thin-wall PCR tube(0.2 ml ; USA Scientific社 製品コード 1402-4700)
  • Nuclease-free nonsticky 1.5-ml tube (USA Scientific社 製品コード 1415-2600)
SPRI Bead 精製:
  • Agencourt AMPure PCR Purification Kit(5 ml Beckman Coulter社 製品コード A63880 ; 60 ml Beckman Coulter社 製品コード A63881)
  • MagnaBot II Magnetic Separation Device(プロメガ社 製品コード V8351)
    1回目の精製において使用する。
  • Magnetic Stand-96(Ambion社 製品コード AM10027)
    2回目の精製において使用する。
  • 96-well V-bottom Plate (500 μl)(VWR(Axygen)社 製品コード 47743-996)
  • MicroAmp Clean Adhesive Seal(ABI社 製品コード 4306311)
  • 80% Ethanol
リボソームRNAの除去:
本製品を用いたcDNA合成の前に、リボソームRNAを除去することを強くお勧めします。
リボゾームRNAの除去にはRiboGone-Mammalianをお使いください

保存

BOX1(Control Total RNA、SMARTer IIA Oligonucleotide)-70℃
BOX2、Advantage 2 PCR Kit-20℃

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注意事項
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