GC richな場合と同様に、テンプレートが二次構造をとりやすい場合においても、従来の
Taqを用いたPCRでは増幅しにくいことがよくある。
以下に、二次構造をとりやすい断片をテンプレートに、約2.7 kbのフラグメントを増幅した例を示す。図1からもわかるように、従来の
Taqでは非特異的産物しか増幅されなかったが、
TaKaRa LA Taq (LA PCR Buffer II)では良好に増幅されている。
PCRで増幅バンドがみられない場合、一般的にサイクル条件の検討や、プライマーデザインの変更等を行うが、増幅効率の優れた
TaKaRa LA Taq (LA PCR Buffer II)を使用するだけで増幅の向上がみられることがあるので、是非一度使用することをお勧めする。
Template |
: |
二次構造をとりやすいcDNA (EcoR Iで切断したpBluescript IIに挿入したもの) |
増幅サイズ |
: |
約2.7 kb |
Primer |
: |
Custom long primer (30~32 mer)
(各10 pmol/50 μlPCR) 配列はApplication (GC richなフラグメントの増幅例) の実験と同じ。 |
dNTP Mixture |
: |
dGTPの代わりに7-deaza-dGTP使用 |
PCR条件 |
: |
94℃、1 min
↓
98℃、20 sec 68℃、3 min |
30 cycles |
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(TaKaRa PCR Thermal Cycler 480使用)
※サンプルは慶応大学・分子生物学講座の高柳先生より提供していただきました。
図1 二次構造をとりやすいフラグメントの増幅の比較
1% L 03 Agarose gel (製品コード 5003)
8 μl泳動
Lane 1:Taq
Lane 2:TaKaRa Ex Taq
Lane 3:TaKaRa LA Taq (LA PCR Buffer II) |
を用いて増幅 |
M:λ-
Hind III digest