Aureobasidin A(オーレオバシジンA)耐性酵母形質転換システム
pAUR123ベクターを用いたlacZ遺伝子の発現(Candida glabrataを宿主として)
pAUR123は発現用プロモーターとして
Saccharomyces cerevisiaeのアルコール脱水素酵素遺伝子ADH1 のプロモーター
6)を有している。発現させたい遺伝子を開始コドンATGを含む形で
pAUR123のマルチクローニングサイトに挿入すると、形質転換体は構成的に挿入遺伝子を発現させることが可能となる。
ここでは、
lacZ遺伝子を
pAUR123に挿入したプラスミドベクター(pAUR123-
lacZ)を用いて、Aureobasidin A耐性酵母形質転換システムで効率良く形質転換できる
C. glabrata TIMM1062株での
lacZ遺伝子の発現を調べた。
方法
pAUR123-lacZはC. glabrata中では自律複製できないため、ベクター上のBln Iサイトで切断した 直鎖状プラスミドDNAを用いて、one-step transformation法で形質転換を行った。C. glabrata の染色体にプラスミドがランダムに組み込まれた(2コピー以上の挿入を確認)形質転換体のβ-galactosidase活性を、o-Nitrophenyl-β-D-galactopyranoside (ONPG)を基質として測定した7) 。
結果
C. glabrata TIMM1062株から得られたAureobasidin A耐性を示す形質転換体は、X-Galを含むYPDプレート上(30℃、5日培養)で青色を呈した。また、形質転換体をYPD培地で一晩培養してβ-galactosidase活性を測定したところ、すべてのクローンが3~5 units/OD
600の活性を示した。pAUR123ベクターは、
C. glabrataにおいてもタンパク発現用ベクターとして利用できると考えられる。
Aureobasidin A(オーレオバシジンA)耐性酵母形質転換システム