pPTR I DNA

プロトプラスト-PEG法によるA. oryzaeの形質転換

pPTR II DNA(製品コード 3622)

  1. 100 mlのCD液体培地A. oryzaeの胞子懸濁液を植菌し、30℃で20時間振盪培養する(バッフル付き三角フラスコで激しく振盪する)。
  2. ガラスろ過器(3G1)でろ過して菌糸を集める。滅菌水で洗浄後、スパーテル等で押さえて菌糸から水分を十分に除く。
  3. 適当量の菌糸を、50 mlポリプロピレン製遠心管中のプロトプラスト化溶液に加えて懸濁する(加える菌糸の量は、溶液中で菌糸がサラサラ動く程度)。
  4. 30℃で2~3時間穏やかに振盪し、プロトプラスト化する(顕微鏡で確認する)。
  5. ガラスろ過器(3G2)でろ過し、ろ液を2,000 rpmで5分間遠心してプロトプラストを集める。
  6. プロトプラストを 0.8 M NaClで2回洗浄する。
  7. プロトプラストを2×108/mlとなるようにSolution 1に懸濁し、0.2容量のSolution 2を加えて穏やかに懸濁する(Solution 2は粘性が高いので、十分に懸濁する)。
  8. 0.2 mlのプロトプラスト懸濁液(10 ml以上のポリプロピレン製遠心管に入れる)にプラスミド(20 μl以下)を加える(プラスミドは最大 20 μgまでにする)。
  9. 氷中で30分間静置する。
  10. 1 mlのSolution 2を加え、穏やかに懸濁する。
  11. 室温で15分間静置する。
  12. 8.5 mlのSolution 1を加え、穏やかに懸濁する。
  13. 遠心してプロトプラストを集める。上清をできるだけ除き、プロトプラストを0.2 mlのSolution 1に懸濁する。
  14. プロトプラスト懸濁液を5 ml(90 mm径 シャーレ当たり)のCD軟寒天選択培地*に懸濁し、CD 選択プレートにプロトプラストが均一に分散するように素早く重層する。
  15. 30℃で5~7日間培養する。
注) 必ずチアミンを含まないCD培地を使用する(チアミン存在下ではPTの選択圧が激減する)。器具および溶液はすべて滅菌し、操作は無菌的に行う。


・胞子懸濁液:
  プレート上のA. oryzaeの胞子を10 mlの0.1% Tween 80、0.8% NaClに懸濁し、ガラスろ過器(3G2)でろ過し、ろ液を集める。
3,000 rpm、5分間遠心して分生子を沈殿させ、上清を捨てる。10 mlの0.1% Tween 80で分生子を2回洗浄した後、適量の滅菌水に懸濁する(胞子懸濁液)。

・CD 培地(1 L当たり):
  NaNO3 6.0 g
  KCl0.52 g
  KH2PO4 1.52 g
  1 M MgSO4・7H2O 2 ml**
  Glucose 10.0 g
  Agar 20.0 g
  Trace elements solution*** 1 ml
  1 N KOHでpH6.5に調整する。
 
  ** MgSO4・7H2Oは別にオートクレーブして、
後で混合する。
  *** Trace elements solution(1 L当たり):
    FeSO4・7H2O 1.0 g
    ZnSO4・7H2O 8.8 g
    CuSO4・5H2O 0.4 g
    Na2B4O7・10H2O 0.1 g
    (NH46Mo7O24.・4H2O 0.05 g

・CD選択培地:
  CD 培地に0.8 M NaCl、0.1 μg/ml PTを添加したもの。

・CD 軟寒天選択培地:
  CD 選択培地のagarを0.5%にしたもの。約50℃で保温しておく。

・プロトプラスト化溶液:
  20 mg/ml YatalaseTM(製品コード T017), 0.8 M NaCl, 10 mM Na phosphate buffer(pH6.0). ろ過滅菌する。

・Solution 1:
  0.8 M NaCl, 10 mM CaCl2, 10 mM Tris-HCl(pH8.0)

・Solution 2:
  40%(w/v)PEG4000, 50 mM CaCl2, 50 mM Tris-HCl(pH8.0). ろ過滅菌する。

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