培養・誘導条件下(培地、培養温度、通気攪拌条件、誘導のタイミング、誘導物質の濃度、誘導後の培養時間)は目的タンパク質によって異なるため、目的タンパク質に応じた培養条件の検討が必要である。
以下に一般的な例を示す。
- コールドショックベクターpColdのマルチクローニングサイトに目的遺伝子を挿入して発現用プラスミドを作製する。
- 発現用プラスミドで宿主大腸菌*を形質転換し、アンピシリンを含む選択培地プレート上で形質転換体を選択する。
* 本製品を用いる場合、目的遺伝子は大腸菌に由来するcspAプロモーターにより発現されるので、ほとんどすべての大腸菌株を発現用宿主として利用できる。
- 50~100 μg/mlアンピシリンを含むLB培地に形質転換体を植菌し、37℃で振とう培養する。
- 培養液のOD600が0.4~0.5となった時点で培養液を15℃に冷却し、30分間放置する。
- 終濃度0.1~1.0 mMとなるようにIPTGを添加し、15℃で24時間振とう培養する。
- 培養終了後、SDS-PAGEや活性測定などにより目的産物の有無、発現量や可溶性を確認する。