Q1 TaKaRa LA PCR Kit Ver. 2.1のPCR条件は、なぜ2段階PCRを勧めているのか?
A1 Long PCRを成功させるポイントのひとつとして、特異性を高めるために30 mer程度の長いプライマーを設計することがあります。こうした長いプライマーはTm値が高いため、PCRに使用すると反応条件のannealingとextensionの温度差がさほどなくなってしまいます。annealing温度が60℃を超える場合は3段階の温度設定をせずにannealingとextensionを同一温度で設定し、シャトルPCRといわれる2段階PCRを行うことで反応性のよい結果が得られます。TaKaRa LA PCR Kit Ver. 2.1はLong PCRを念頭に設計したキットですのでシャトルPCRの条件をお勧めしています。お手持ちの20 mer程度のプライマーをご使用されるときは3段階PCRをお勧めします。ただし、シャトルPCRは20 mer程度のプライマーを使用しても成功する場合があります。
Q2 LA PCR Kit Ver. 2.1にて増幅したPCR産物はAがoverhangしているか?
A2 はい、Aがoverhangしています。したがってそのPCR産物をそのままTA Cloningにご使用いただくことが可能です。また、Blunting Kitによる末端平滑化およびT4 Polynucleotide Kinaseによるリン酸化を経て、平滑末端のベクターにクローニングすることもできます。TaKaRa BKL Kit(Blunting Kination Lgation Kit)を用いると、この平滑末端クローニングを迅速、簡便に行うことができます。