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Q1 スライドに固定した組織からDNA抽出できるか?
A1 スライドから削り落としたり、キシレン等ではがしての使用の場合はDNAを抽出できません。スライドから行う場合は、部位限定抽出法を用いてください。ただし、組織染色を行ったスライドからは染色剤によるPCR反応の阻害が起こりますので、ご注意ください。
Q2 抽出したDNAはどれくらい保存できるか?
A2 4℃で3ヵ月、-20℃で1年間保存した例があります。
Q3 組織残渣が多く、きれいに抽出上清がとれない。どうしたらよいか?
A3 使用する切片の量が多すぎることが原因と考えられます。切片の量を減らすか、DEXPATの添加量を、例えば1 mlに増やしててください。または遠心分離の回転数を、例えば15,000 rpmに増大すると上清がはっきりと分離できます。boil時に軽く振って切片をほぐし、DEXPATをよくなじませてください。
サンプルの数(チューブの数)が多い場合、冷却遠心10分ではパラフィンが上層に薄膜としてしっかり固まらない場合があります。その時は、遠心時間を延ばすか、一度に遠心するサンプル数(チューブ数)を減らして、十分冷却されるようにして遠心して下さい。
Q4 回収したDNAを用いてPCR反応を行ったところ目的のバンドが確認できなかった。改善点は?
A4
1)PCR反応液の1/10量のDNA液をご使用ください。これ以上鋳型量を増やすときはエタノール沈殿などでバッファー交換してください。
2)固定・包埋処理により、DNAがかなりダメージを受けていることが考えられます。
3)何らかの阻害物質が混在することが考えられます。一度、抽出DNA液をエタノール沈殿により精製してPCRを行ってみてください。
4) 処理サンプル中に含まれるDNA量が少ないため、検出できない可能性があります。抽出DNA液を濃縮して使用してみてください。エタノール沈殿による精製および濃縮例
- 回収した抽出DNA液の液量を見積もる。
- 1.の液量の1/10倍量の3M酢酸ナトリウムを加える。
- 1.の2.5倍量のエタノール、または等量のイソプロパノールを加える。
- 均一になるように転倒混和する。
- -20℃で、30分から1時間静置する。
- 4℃、12,000×gで、10分から15分間遠心する。
- 上清を除き、70%エタノールを1 ml加える。
- 4℃、12,000×gで、10分から15分間遠心する。
- 上清を捨て、風乾する。
- 適当量のTEバッファーなどで溶解する。
(20~25 μlで溶解すれば、10倍程度に濃縮することになる。)
Q5 RNAは回収できるか?
A5 本製品はDNA回収用の製品ですのでRNAは回収できません。
Q6 パラフィン包埋切片以外からの回収に使用できるか?
A6 凍結切片で使用できることを確認しています。なお、脱パラフィン済みの切片は確認しておりません。
Q7 回収したDNAを吸光度計で測定できるか?
A7 本製品は精製キットではなくDNA回収用キットであるために、回収したDNAはUV吸光度で定量できません。
Q8 回収したDNAを電気泳動で確認することができるか?
A8 回収されるDNAは微量のため電気泳動では確認できない場合が多いです。
Q9 回収できる水層はどのくらい?