製品説明
本製品は、10%ホルマリン固定パラフィン包埋組織切片から、PCR増幅に適したDNAをワンステップで抽出するための画期的なDNA抽出剤である。従来、パラフィン切片からのDNA抽出は多大な時間と労力を要したが、本製品は、迅速かつ簡便にDNA抽出を行うことが可能であり、以下の5つの優れた特長を持っている。
- 脱パラフィン不要
- わずか10分で抽出(全工程約25分)
- PCRグレードのDNAを抽出可能(400 bp以下のPCR増幅に使用可能)
- 毒劇物は一切使用しない
- 部位限定抽出法により解析の精度を高められる
本製品は、特殊界面活性剤とPCR阻害物質吸着樹脂を最適濃度に混合したものである。パラフィン包埋組織切片に本製品を加え、100℃で加熱後4℃で遠心するだけでPCRグレードのDNAを回収できる。
ただし、パラフィン包埋組織切片から抽出されるDNAは、固定・包埋処理によりすでに分解されている可能性が高く、400 bp以上のPCR増幅はできない場合が多い。また、抽出されたDNAの品質は固定・包埋された組織の状態に影響を受ける。
【注】 | 本製品は、哺乳類組織のパラフィン切片からDNAを抽出して哺乳類遺伝子を検出するために使用してください。細菌および真菌遺伝子の検出に用いることはできません。 |
内容
(100回用)
DEXPAT 10 ml×5
保存
4℃
製品以外に必要な器具
マイクロピペット
微量冷却遠心機(12,000 rpm)
ヒートブロック(100℃)
1.5 ml マイクロチューブ(目盛り付を使うと便利である)
プラスチックグローブ
操作手順(所要時間:25分)
4~10 μmパラフィン包埋組織切片(1~3枚)を
1.5 mlチューブに入れる
│
├──DEXPAT 0.5 ml 添加
│ (約20滴)
│
├──100℃で加熱[10分]
│
├──12,000 rpmで遠心[10分]
│
DNA溶液 (→→→PCR反応)
従来抽出法1) (所要時間:2~3日)
(パラフィン包埋組織切片)
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├──脱パラフィン
│
├──乾燥
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├──除タンパク質[1~2日]
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├──フェノール/クロロホルム抽出
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├──エタノール沈殿
│
├──乾燥、溶解
│
DNA溶液 (→→→PCR反応)
図1 操作フローチャートおよび従来法との比較