AAVpro® Purification Kit Maxi/Midi (All Serotypes)

様々な血清型アデノ随伴ウイルスベクターに適用できる高効率な精製キット
  • さまざまな血清型(セロタイプ)のAAVベクターに適用可能
  • 高精製度、高回収率
  • 独自のAAVベクター抽出法により凍結融解法や超音波破砕法のような面倒な操作は一切不要(特許出願中)
  • 独自のAAVベクター精製法により単純操作で夾雑物を効率よく除去(特許出願中)
  • 超遠心分離などの煩雑な工程は不要
  • ベクター産生細胞からAAVベクター精製に必要なすべてのバッファーを付属
製品コード メーカー
略称
製品名 容量 価格(税別) 特記事項 説明書、CoA
データシート
ベクター情報
参考資料 カート
Takara Code
6666

TKR

タカラバイオ(株)
AAVpro® Purification Kit Maxi (All Serotypes)
ライセンス
4回 ¥169,000
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説明書・データシート・ベクター情報
6666
6675

TKR

タカラバイオ(株)
AAVpro® Purification Kit Midi (All Serotypes)
ライセンス
4回 ¥72,000
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説明書・データシート・ベクター情報
6675
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製品説明

アデノ随伴ウイルスベクター(AAVベクター)は、増殖/非増殖のいずれの細胞にも遺伝子導入が可能であり、特に非分裂細胞においては長期間の発現が可能である。また、免疫原性が低く、動物個体への遺伝子導入にも適している。AAVベクターを用いて動物個体に遺伝子導入を行う際は、ウイルス産生細胞や培地由来の不純物を除去し、高純度に精製したウイルスベクターを使用する必要がある。また、培養細胞へ遺伝子導入を行う際にも、精製したAAVベクターを使用することで、不純物の影響をなくすことができる。

AAVベクターの精製は、CsCl濃度勾配超遠心法やiodixanol超遠心法などが一般的で、これらの方法には熟練した技術が必要であり、精製工程にかかる時間や回収率などに課題がある。
本製品は、約4時間でAAVベクター産生細胞からAAVベクターを簡便かつ効率よく精製できるキットであり、様々な血清型(セロタイプ)に適用可能である。
本製品を使用して精製を行う場合、独自のAAVベクター抽出法のため凍結融解法や超音波破砕法のような面倒な操作は一切不要(特許出願中)であり、独自のAAVベクター精製法のため単純操作で夾雑物を効率よく除去(特許出願中)できる。AAVpro Purification Kit Maxi(All Serotypes)にはT225フラスコ5本相当の、AAVpro Purification Kit Midi (All Serotypes)にはT225フラスコ1本相当の産生細胞からAAVベクターを精製するために必要なバッファー、濃縮カラムが4回分含まれている。

AAVpro Purification Kit Midi (All Serotypes)の発売に伴い、AAVpro Purification Kit (All Serotypes)の製品名称をAAVpro Purification Kit Maxi (All Serotypes)へと2021年3月中旬出荷分(lot:AKE0462A)より変更しました。製品名称以外、キットの性能やコンポーネント、価格、使用回数、操作手順などの変更はございません。

AAVpro Purification Kit(All Serotypes)を使用したAAVベクター精製工程の概略
図1.AAVpro Purification Kit Maxi/Midi(All Serotypes)を使用したAAVベクター精製工程の概略

内容

  製品コード 6666製品コード 6675
1.AAV Extraction Solution A plus22 ml×2本4.4 ml×2本
2.AAV Extraction Solution B4.5 ml0.9 ml
3.Precipitator A5 ml1 ml
4.Precipitator B2.5 ml0.5 ml
5.Millex-HV 0.45 μm4個4個
6.Amicon Ultra-15または-4, 100 kDa4本4本
7.Suspension Buffer60 ml×2本12 ml×2本
8.Cryonase Cold-active Nuclease500 μl100 μl

Precipitator Aは低温保存により白色沈殿物が生じることがありますが、品質、性能には問題ありません。沈殿が生じた場合は、37℃で温めて完全に溶解してから使用してください。

保存

Cryonase Cold-active Nuclease-20℃
その他のコンポーネント室温

キット以外の器具・試薬(主なもの)

【器具】
・細胞培養に必要な一般的設備
・シリンジ

【試薬】
・0.5 M EDTA(pH8.0)(EDTA Buffer Powder, pH8.0(製品コード T9191)

実験操作

AAVベクター抽出液の調製
AAVベクターの精製・濃縮

T225フラスコ5本で調製したAAVベクターを精製するプロトコールを示しています。
AAVベクター産生細胞の調製には、AAVpro Helper Free System(製品コード 6230、6650~6663)の使用を推奨します。

本製品使用の実験例 AAVpro Purification Kit Maxi (All Serotypes)

<1.精製後の各セロタイプの純度測定>
T225フラスコ5本で調製した蛍光タンパク質ZsGreen1を搭載する各セロタイプのAAVベクター産生細胞から、本キットを用いてAAVベクターを精製した。その後、AAVpro Titration Kit(for Real Time PCR) Ver.2(製品コード 6233)を用いてタイターを測定し、1×109 vg/laneでSDS-PAGEに供じた。その結果、AAVキャプシドタンパク質(VP1、VP2、VP3)が主要バンドとして確認できた。
精製後の各セロタイプの純度測定

<2.精製AAVベクターの感染能評価>
精製後の各セロタイプの純度測定で取得した各セロタイプのAAVベクターを用いて、各細胞株への感染力価を評価した。精製したAAVベクターは5,000 vg/cell(セロタイプ1、2、3、6)、もしくは50,000 vg/cell(セロタイプ5)で感染させ、3日後にフローサイトメトリー解析を行った。
本キットで精製したAAVベクターは感染能を保持していることが確認できた。

精製AAVベクターの感染能評価

使用上の注意

本製品をご利用の際は、以下の点にご注意ください。
  • 本製品はアデノ随伴ウイルスベクターを含むものではなく、また本製品の使用によりアデノ随伴ウイルスベクターが産生されるものではありません。しかしながら、本製品の使用対象であるアデノ随伴ウイルスベクターの使用には文部科学省の定める省令(「研究開発等に係る遺伝子組換え生物等の第二種使用等に当たって執るべき拡散防止措置等を定める省令」平成16 年文部科学省・環境省令第1号)にあるP1レベル以上の施設が必要です。
  • 本製品ご利用の際は省令および組織内の組換えDNA実験安全委員会の指示に従い、安全には十分ご注意ください。
  • アデノ随伴ウイルスベクターの系によって生産されるウイルスは挿入断片によっては危険なウイルスを含む恐れがあるため、組換えアデノ随伴ウイルスの生産と取扱いには、適切な処置をとる必要があります。吸入や付着を防ぐため、必ず、安全キャビネットを使用してください。
  • 本製品の使用には遺伝子工学と細胞培養に関する基本的な技術が必要です。

関連資料

遺伝子導入実験ハンドブック

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