RetroNectin® (Recombinant Human Fibronectin Fragment)
3種類の幹細胞への遺伝子導入例
(レトロネクチン法、ポリブレン法、プロタミン法の比較)
ヒト造血幹細胞(hCD34+)、ヒト間葉系幹細胞(hMSC)、およびヒト脂肪由来幹細胞(hADSC)へのレトロウイルスベクター(エンベロープ:GaLV)を用いた遺伝子導入効率を、各方法で測定した。
各細胞におけるインテグリンVLA-4、VLA-5およびGaLVエンベロープレセプター(Pit-1)の遺伝子発現を下表に示した。また、右図には蛍光タンパク質発現レトロウイルスベクターを、レトロネクチン法、ポリブレン法、プロタミン法を用いて各細胞に遺伝子導入した際の導入効率の一例を示した。
hCD34+やhADSCのようにGaLVエンベロープのレセプターの発現が少ない幹細胞でも、レトロネクチンを用いると非常に効率のよいレトロウイルスベクターでの遺伝子導入が可能になった。
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| hCD34+ | hMSC | hADSC |
VLA-4 | + | - | + |
VLA-5 | + | + | + |
Pit-1 | 0.36 | 1 | 0.31 |
VLA-4、VLA-5およびPit-1遺伝子の発現
(Pit-1の発現は、hMSCにおける発現を1とした場合の相対値)
また、ZsGreen1発現レトロウイルスベクター(エンベロープ:Ampho)をレトロネクチン法により遺伝子導入したヒト脂肪由来幹細胞(hADSC)に関して、その分化能が維持されていることを分化誘導実験により確認した。
遺伝子導入後4日目と脂肪細胞および骨芽細胞へ分化させた26日目の蛍光顕微鏡の写真および、オイルレッド、アルカリフォスファターゼ染色の結果を下記に示した。導入した遺伝子は、分化誘導22日目(遺伝子導入後26日目)においても十分な発現が認められた。
RetroNectin® (Recombinant Human Fibronectin Fragment)