RetroNectin® (Recombinant Human Fibronectin Fragment)

高効率遺伝子導入とリンパ球の拡大培養に
  • レトロウイルスベクター/レンチウイルスベクターを介する遺伝子導入を促進
  • リンパ球などの浮遊細胞や遺伝子導入が困難な造血幹細胞、Polybreneなどの遺伝子導入補助剤で毒性を示す細胞への遺伝子導入に最適
  • 細胞培養用ディッシュにコーティングして使用
製品コード メーカー
略称
製品名 容量 価格(税別) 特記事項 説明書、CoA
データシート
ベクター情報
参考資料 カート
Takara Code
T100A

TKR

タカラバイオ(株)
RetroNectin® (Recombinant Human Fibronectin Fragment)
ライセンス カスタム製造について
0.5 mg(0.5 ml) ¥37,000
説明書・データシート・ベクター情報
T100A
T100B

TKR

タカラバイオ(株)
RetroNectin® (Recombinant Human Fibronectin Fragment)
ライセンス カスタム製造について
2.5 mg(2.5 ml) ¥145,000
説明書・データシート・ベクター情報
T100B
T110A

TKR

タカラバイオ(株)
RetroNectin® Dish(RetroNectin® Pre-coated Dish, 35 mmφ
カスタム製造について
10 dishes ¥74,000
説明書・データシート・ベクター情報
T110A
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製品説明

RetroNectin(リコンビナントヒトフィブロネクチンCH-296)1)は、ヒトフィブロネクチンの細胞接着ドメイン(C-domain)、ヘパリン結合ドメイン(H-domain)およびCS-1部位の3種類の機能性ドメインを含む組換えタンパク質*1である。
RetroNectinはインテグリンVLA-4、VLA-5を発現している哺乳類細胞に対してレトロウイルスベクター*2を介した遺伝子導入を行う際に有用である。VLA-4を発現している細胞はCS-1部位と、またVLA-5を発現している細胞は細胞接着ドメイン(RGDS 配列)と接着し、一方、ウイルスベクターはヘパリン結合ドメイン(Type III repeat, 12, 13, 14)に結合することによってRetroNectin上に共配置される。これにより、局所的に両者の濃度が高められ、遺伝子導入が促進されると考えられる(図1)。
*1 分子量62,613(アミノ酸配列より)
*2 レンチウイルスベクターを介した遺伝子導入を行う際にも有用です。

RetroNectin Dishは、RetroNectinを35 mm dishにあらかじめコーティングしたものである。コーティング操作が不要となり、一定の遺伝子導入効率を得ることができる。


図1.フィブロネクチンとレトロネクチンの構造およびレトロネクチンでの遺伝子導入のモデル図

標的細胞には(1)Supernatant法、または(2)RBV(RetroNectin-bound virus)法により遺伝子を導入する。
(1)Supernatant法
細胞とウイルスを混合してRetroNectinコートプレート上で感染させる方法である。簡便に短時間でRetroNectinを用いたウイルスベクターによる遺伝子導入を行うことができる。(図2)
横にスクロールできます
Supernatant法

図2.Supernatant法


(2)RBV法(改良法)
組換えレトロウイルスを先にRetroNectinコートプレートに吸着させ、感染阻害物質を含むレトロウイルス液を除いた後に細胞を加える方法である。RBV法はレトロウイルスベクターを介した遺伝子導入を行う際に、プロデューサー細胞から分泌されるプロテオグリカンやレトロウイルス包膜タンパク質などの物質が存在すると導入効率に影響を与えるため、組換えレトロウイルスを感染させるときにはこれらの阻害物質を除いておくことが重要であることから改良された方法である。Supernatant法で十分な遺伝子導入効率が得られない場合、RBV法を用いることを推奨する。特に、高濃度にウイルス液を使用する場合、より高い効果を発揮する。(図3)
横にスクロールできます
RBV法について

図3.RBV法

培養バッグを用いたラージスケールのウイルス感染方法(RBV-LTS法)の詳細はこちら。

さらに、RetroNectinはTリンパ球の培養を増強する効果も有する。
T細胞の拡大培養は、通常、抗CD3抗体刺激によりインターロイキン-2(IL-2)の存在下で行う。このときRetroNectinを共存させることで拡大培養効率が格段に増大する(実験例参照)。また、得られたT細胞集団中には未分化な細胞であるナイーブT細胞が多く含まれる。ナイーブT細胞は、抗原提示を受け細胞傷害性T細胞に分化する能力をもつ。

使用例

レトロウイルスベクターを用いた3種類の幹細胞への遺伝子導入例
図4.レトロウイルスベクターを用いた3種類の幹細胞への遺伝子導入例
蛍光タンパク質発現レトロウイルスベクターをRetroNectin法、Polybrene法、Protamine法を用いて各細胞に遺伝子導入した。

レンチウイルスベクターを用いた浮遊系培養細胞(SUP-T1)への遺伝子導入例
図5.レンチウイルスベクターを用いた浮遊系培養細胞(SUP-T1)への遺伝子導入例
蛍光タンパク質発現レンチウイルスベクターをSupernatant法(静置感染/遠心感染)、RBV-Spin法、Polybrene法を用いて各細胞に遺伝子導入した。

ラーニングビデオ

内容

RetroNectin  0.5 mg(0.5 ml)(製品コード T100A)
RetroNectin  2.5 mg(2.5 ml)(製品コード T100B)

本製品は溶液品(ろ過滅菌処理済)(1 mg/ml)である。
(形状)12.5 mM クエン酸ナトリウム(pH6.2)、1.25% ショ糖(Sucrose)

保存

製品コード T100A、T100B-20℃
製品コード T110A4℃

起源

E. coli expressing human fibronectin fragment CH-296

濃度

製品コード T100A、T100B
1 μg/μl

分子量

62,613 (アミノ酸配列より)

純度

HPLCにて純度90%以上。

使用上の注意

  1. 本製品の凍結融解は10回程度まで可能である。
  2. 本製品の撹拌はゆるやかに行ってください。ボルテックスによる撹拌は避けてください。

プレートへのコーティング

RetroNectinは、20~100 μg/mlの濃度で4~20 μg/cm2となるようプレートにコーティングする。直径3.5 cmのディッシュ(10 cm2)の場合には1ディッシュあたり2 mlのRetroNectinの希釈溶液(20~100 μg/ml)を加えればよい。よって、1バイアル(0.5 mg protein)で2~12ディッシュ分をコートすることができる。
プロトコルの詳細はこちら

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注意事項
  • 本ページの製品はすべて研究用として販売しております。ヒト、動物への医療、臨床診断用には使用しないようご注意ください。また、食品、化粧品、家庭用品等として使用しないでください。
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