目的の融合タンパク質が、N末にHisタグ、HNタグ配列を持っている場合、金属キレート樹脂を用いて、切断後の目的タンパク質を回収することが可能である。以下は、TALON Metal Affinity Resin(製品コード 635501)を使用した例を示す。
- 上記の反応液を、スケールアップして調製する。
至適化試験において決定した量比になるように目的タンパク質およびHRV 3C Proteaseを加える。
- 4℃で、至適化試験で決定した時間の反応を行う。
- 必要量の10×HRV 3C Clevage Bufferを10倍に希釈して、1×HRV 3C Clevage Bufferを作製し、4℃においておく。以下の操作は4℃で行う。
- 適当量のTALON Metal Affinity Resin*を、1×HRV 3C Cleavage Bufferで平衡化して50% Slurryの状態にする。
* TALON Metal Affinity Resinのタンパク質結合容量は、約5~15 mg/ml Resinである。
- 50% SlurryのTALON Resinに2. の反応液を加える。穏やかに4℃で1時間転倒混和する。
- 5. のResin を含む溶液を、700×gで5分間遠心し、上清を回収する。HRV 3C ProteaseおよびタグはResinに吸着するため、目的タンパク質が上清に回収される。または、5. のResinを含む溶液を、TALON 2 ml Disposable Gravity Column(製品コード 635606)などに充填し、Wash画分を回収する。
- SDS-PAGEによる確認を行う。