原因 | 対策 |
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洗浄が不十分 | ・洗浄回数を増やす。洗浄に使用するバッファー量を増やす。 ・Tween20を含まないバッファーを用いている場合は、最終濃度0.05%となるようにTween20を添加する。 (注:Tween20の濃度が高すぎると、メンブレンからタンパク質が溶離する危険性がある。 |
抗体濃度が高すぎる | ・一次抗体、二次抗体の濃度が高すぎるとバックグラウンドの原因となる。抗体濃度を下げる。 |
露光時間が長すぎる | ・メンブレンをフィルムに露光させる時間を短縮する。 |
ブロッキングが不十分 | ・ブロッキングバッファーを至適化する。使用する検出システムによってそれぞれ最適なブロッキング方法は異なる。 ・ブロッキングバッファー中のタンパク質濃度を上げる。 ・ブロッキングの時間、温度を至適化する。少なくとも室温で1時間以上、あるいは4℃で一晩ブロッキングする。 ・ブロッキングバッファーにTween20を加える(終濃度0.05%)。 |
ハイブリバッグを用いた抗体反応で、バッグ内に気泡が残っていた | ・ハイブリバッグをシールする前に気泡を確実に除去する。一度にシーラーをかけずに、一か所少しだけ残した開封部から空気を抜くようにすると、気泡を除きやすい。 |
ブロッキングバッファー中の成分との交差反応が起きている | ・組成の異なるブロッキングバッファーを使用する。 ・スキムミルクにはビオチンが含まれているため、ビオチン-アビジンを利用した検出システムを用いるメンブレンのブロッキングには使用できない。 ・ブロッキングバッファーの交差反応試験を行う。新しいメンブレンをブロッキングし、実験に使用する抗体とインキュベートし、実験に用いる検出試薬を用いて検出する。 ・HRPコンジュゲートの濃度を下げる。 |
ブロッキングバッファーが不適切 | ・組成の異なるブロッキングバッファーを検討する。 |
HRP標識抗体に凝集が生じた | ・HRP標識抗体に凝集が生じると、斑点の原因となる。 ・0.2 μMのフィルターでろ過する。 ・新しく、品質のよい抗体を使用する。 |
メンブレンに問題がある | ・製造元のプロトコールに従って、メンブレンを確実に湿潤させる。 ・新しいメンブレンを使用する。 ・乾燥を防ぐため、操作中のメンブレンは確実に十分量の液体に浸しておく。 ・すべてのインキュベーションは振盪しながら行う。 ・メンブレンは慎重に取り扱う。メンブレンに損傷を与えるとバックグラウンドの原因となる。 ・メンブレンは素手で取り扱わない。必ず清潔なグローブを着用するか、ピンセットを使用する。 |
器具類の汚染 | ・電気泳動装置、ブロッティング装置およびインキュベーショントレーは清潔に保ち、異物が混入しないように注意する。 |
バッファーのコンタミネーション | ・新しいバッファーを調製する。 ・バッファーを使用前に濾過する。 |
原因 | 対策 |
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抗体濃度が高すぎる | ・抗体濃度、特にHRP標識抗体の濃度を下げる。バンドが白抜きになる現象は、HRPの量が多すぎる時に起こる。 |
原因 | 対策 |
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抗体濃度が高すぎる | ・抗体濃度を下げる。 |
SDSがタンパク質バンドに対して非特異的吸着を引き起こした | ・転写後にメンブレンを洗浄する。 ・イムノアッセイの工程にSDSを使用しない。 |
原因 | 対策 |
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タンパク質が適切に転写されなかった | ・転写終了後、ゲルのタンパク質染色を行い転写効率を調べる。 (注: タンパク質染色では少量の抗原は検出できない可能性がある。) ・転写中、ゲルとメンブレンが確実に密着するように注意する。 ・転写用装置を正しく組み立て、電極の向きとゲル、メンブレンを重ねる順番に注意する。 ・製造元のプロトコールに従って、メンブレンを確実に湿潤させる。 ・エレクトロブロッティング中に転写用装置が加熱しないように注意する。 ・陽性コントロールや分子量測定用マーカーとともに有色マーカーを加える。 ・転写時間と電流を至適化する。 ・サンプル調製の過程でサンプルの抗原性が失われていないことを確認する。 (一部のタンパク質は非還元条件下では泳動されない場合がある) |
目的タンパク質量が不十分 | ・電気泳動に用いるタンパク質量を増やす。 |
抗体量が不十分 |
・抗体濃度を上げる。目的タンパク質に対する抗体の親和性が低い可能性がある。 ・抗体活性が失われている可能性がある。ドットブロットを実施し、抗体活性を調べる。 |
標識抗体が失活している | ・アジ化ナトリウムが含まれていない抗体を用いる。アジ化ナトリウムはHRPの活性を阻害する。 |
基質が劣化している | ・基質の活性を調べるには、少量のWorking Solutionを調製し、暗室内で少量のHRP標識抗体を加えて青い光の有無を観察する。発光が観察されなければ、基質またはHRP標識抗体のどちらかが劣化している。 ・キットに含まれるボトル間でコンタミネーションが起こらないように注意する。保存中の基質試薬に他の試薬が混ざると、劣化の原因となる。 |
メンブレンのストリッピング、リプロービングを行った | ・メンブレンのストリッピングを行うと、目的タンパク質が剥がれたり変性したりする可能性がある。 ストリッピングの手順を最適化する。 ・必要な時にのみリプロービングを行う。 ・同じメンブレンに対するリプロービングの繰り返しは避ける。 |
目的タンパク質がブロッキングによってマスクされている | ・別の種類のブロッキングバッファーを検討する。 ・ブロッキングバッファーのタンパク質濃度を至適化する。 |
基質とのインキュベーションが短すぎる | ・基質とのインキューべーション時間を最適化する。 ・検出試薬の活性を調べる。 |
露光時間が短すぎる | ・フィルムへの露光時間を延長する。 |
メンブレン上で抗原が分解された | ・ブロッキング用試薬の成分にプロテアーゼ活性が含まれている可能性がある(例:ゼラチン)。 |
メンブレンの保存中にタンパク質が分解された | ・新たなブロットを作製する。 |
原因 | 対策 |
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転写が不完全であった | ・転写時に、ゲルとメンブレンの間に気泡が入らないように注意する。 ・製造元のプロトコールに従って、メンブレンを確実に湿潤させる。 ・メンブレンは素手で取り扱わない。必ず清潔なグローブを着用するか、ピンセットを使用する。 ・新しいメンブレンを使用する。 ・メンブレンを分けてインキュベートし、メンブレン同士がインキュベーション中に重ならないようにする。 |
原因 | 対策 |
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抗体濃度が高すぎる | ・抗体濃度を下げる。 |
電気泳動に用いたタンパク質量が多すぎる | ・電気泳動に用いるタンパク質の量を減らす。 |