全表示/全非表示
Q1 レンチウイルスの力価測定にLenti‑X GoStix Plusを用いるメリットは?
A1 Lenti‑X GoStix Plusは、迅速、簡便な方法で正確にウイルス力価を調べることが可能です。従来から実施されているqPCR、ELISA、機能性アッセイなどの測定法は、操作が繁雑で時間がかかるため、ウイルス産生時の培養時間のモニタリングや多検体の測定に最適とは言えません。Lenti‑X GoStix Plusは、20 μl の培養上清をGoStixカセットに滴下して10分後にスマートフォンのカメラで撮影するという簡単な操作でウイルス力価を測定することができます。専用アプリにデータを記録し、測定結果をEメールで送信することも可能です。図1にLenti‑X GoStix Plusと従来法の所要時間を示します。
Q2 p24とは何か?
A2 研究用として用いられる組換えレンチウイルスには、エンベロープタンパク質、マトリクスタンパク質、ウイルス核タンパク質などの構造タンパク質が発現しています(図2)。p24はレンチウイルス粒子のキャプシド(殻)を構成する主な構造タンパク質で、核キャプシドタンパク質(p6、p7)、マトリクスタンパク質(p17)と共にgag遺伝子にコードされています。
Lenti‑X GoStix Plusやp24 ELISAはウイルス上清に含まれるレンチウイルスのp24キャプシドタンパク質量を特異的に測定するようにデザインされています。p24の量はウイルス感染力価にダイレクトに相関します。
Q3 GoStix Value(GV)とは何か?
A3 Lenti‑X GoStix Plusによる力価測定では、Lenti-X GoStixアプリでGoStixカセットをスキャンし、テストバンドとコントロールバンドの画像を取り込み、各バンドの強度を測定して(図3)計算した結果をGoStix Value (GV)として表します。カセット上のテストバンドの強度はウイルス上清中のp24の量の応じて高くなり、infectious unit(IFU)の増加と相関します。
ELISA法で測定されたp24タンパク質量やqPCRで測定されたウイルスゲノムのコピー数は、その結果が感染力価と相関することが知られています。同じ様に、GVも感染力価と相関します(図4,5,7)。また、p24タンパク質量やウイルスゲノムのコピー数の場合と同様に、それぞれの実験に最適なGVは、ターゲット細胞の種類、必要とされるMOI、使用するレンチウイルスベクター、パッケージングシステムなどの要素によって異なります。
Q4 GoStix Value(GV)と感染ユニット(IFU)はどの程度正確に相関するか?
A4 サンプル濃度の検討(図4)やパッケージングシステムの比較(図5)で、GVとIFUの高い相関性が示されています。
Q5 Lenti‑X GoStixアプリのダウンロード先は?
A5 Lenti‑X GoStixアプリは、Apple StoreかGoogle Playからダウンロードできます。
『Lenti-X GoStix』で検索してください。
GoStix Plus appバージョンアップ対応のお願い
2020年9月26日にGoStix Plus appがバージョンアップされます。新しいアプリをインストールすると取得済みのデータが消去されますので、インストール前に必ずデータを保存してください。
Q6 Lenti‑X GoStixアプリがサポートされるデバイスは?
A6 iOS9以上を搭載しているiPhone 5以降の全てのiPhone、およびAndroid v4.4以降のAndroidデバイスで使用可能です。
Q7 GVとIFU/ml、p24タンパク質量はどの様なレベルで相関するか?
A7 GVとIFU/ml、p24タンパク質量は一般的な比較対照実験と同じレベルで相関します。ELISAとLenti-X GoStix Plusの比較データを図6に示します。
Q8 どのような条件がGoStixの力価に影響するか?
A8 Lenti‑X GoStix Plusと他の方法の測定結果を比べる場合には以下の点を考慮すべきです。
レンチウイルスパッケージングシステム、レンチウイルスベクター、トランスフェクション法、培養時間、スキャニングデバイス
比較する実験間でこれらの条件が異なる場合は、GVとIFUの換算率を改めて確認することをお勧めします。
Q9 ウイルス上清のサンプリング時期はGoStix Valueに影響するか?
A9 GoStix Value(GV)はレンチウイルスのp24タンパク質量に比例しており、サンプリング時期が影響します。図7に示すように、パッケージングシステムやトランスフェクション法などが同じでも、p24タンパク質は活性ウイルス粒子よりも安定なため、上清回収が遅くなるとGVも高くなります。さらに、GVとウイルス力価(IFU/ml)の比はサンプリング時期によって変わるため、GVから力価を計算する時や実験間の比較のためには、ウイルス上清回収時期を常に一定にする必要があります。
Q10 シグナル検出までの10分間は必要か?
A10 十分な発色時間を置かないと再現性の良い結果が得られず、実験間の正確な比較ができません。アプリで、10分間が経過する前に、Skipボタンを押すと、警告が表示されます。
Q11 Lenti-X GoStix Plusはスマートフォン無しでも使用できますか?
A11 バンド強度をスキャンしない場合、定性的に検出できます。
Q12 Lenti-X GoStix Plusでは、なぜ検量線作成が不要か?
A12 p24 ELISAs やpRT-PCRアッセイなどの他の定量キットでは、検量線からサンプル値を測定しています。しかし、Lenti-X GoStix Plusでは、各ロットごとの検量線はタカラバイオで作成し、アプリ上にアップロードしているため、お客様自身が作成する必要はありません。
Q13 なぜ、アプリにロット番号を入れるのか。ロット番号はどこに書かれているか?
A13 ELISA法と同様に、ロットによって検量線がわずかに違っているため、正確なデータを得るにはアプリにロット番号を入力する必要があります。ロット番号はGoStixカセットパウチのQRコードをスキャンするか、製品ラベルに記載されている番号をマニュアルで入力してください。
Q14 モバイルはインターネットに接続する必要があるか?
A14 アプリを初めて使用する時は、インターネットに接続し、キットのロットの検量線をダウンロードする必要があります。アプリはロット別の検量線を使用してGVを計算します。新しいロットのGoStixを購入されるごとに、インターネット接続し新ロット用の検量線をダウンロードする必要があります。
Q15 ウイルス量がGoStixの測定範囲外の場合は?
A15 正確な結果を得るためには、Test bandがControl bandの強度より低いことが重要です。両バンドの比が1に近いほど、サンプルは検量線の範囲を超えている可能性が高くなります。比率が1に近い場合は、2倍希釈したサンプルで再度測定し、下図の矢印に示しているようにアプリに希釈率を入力します。
注:Test bandがControl bandより濃い場合、測定結果が「Off Scale」と表示されます。その場合は、サンプルを希釈して再度測定してください。
Q16 アプリにデータが保存されますか?
A16 はい。結果は主メニューの”Results history“に保存されます。データ紛失しないように、下図矢印で示す各データページの”Share”ボタンを押して、データをメール送信することができます。