One Step PrimeScript™ III RT-qPCR Mix
簡易核酸抽出試薬により得られた粗抽出RNAのリアルタイムPCR解析例
One Step PrimeScript III RT-qPCR Mix(製品コード RR600A/B)およびOne Step PrimeScript III RT-qPCR Mix,with UNG(製品コード RR601A/B)は様々な反応阻害物質に対して高い抵抗性を示すため、簡易核酸抽出試薬によって得られた粗抽出RNA サンプルからの検出が可能である
*。ここでは、MightyPrep reagent for DNA(製品コード 9182)により粗抽出した核酸溶液を用いてリアルタイムPCR解析を行い、RNAターゲットを検出した実験例を紹介する。
I.培養細胞(K562細胞株)からの遺伝子発現解析
- 【方法】
-
簡易核酸抽出
- 1.5 mlマイクロチューブに100 μlのMightyPrep reagent for DNAを用意する。
- 20 μlの培養細胞懸濁液(e.g. 5×105 cells)を加える。
- チューブの蓋をし、ボルテックスでよく混合する。
- 95℃で10分加熱する。
- 12,000~15,000 rpmで2分間遠心する。
- 上清をRT-PCRの鋳型として使用する。
プライマー/プローブ検出領域
リアルタイムPCR反応液の調製
コンポーネント | 液量(μl) |
One Step PrimeScript III RT-qPCR Mix または One Step PrimeScript III RT-qPCR Mix, with UNG | 12.5 |
Forward/Reverse Primers (各10 μM) | 各0.5 |
Takara qPCR Probe (10 μM) | 0.5 |
粗抽出核酸溶液 | 1.0/2.5/5/10 |
RNase Free H2O | X |
合計 | 25 |
リアルタイムRT-PCR反応
52℃
95℃
95℃
60℃
5 min.
10 sec.
5 sec.
30 sec.
40 cycles
- 【結果】
- One Step PrimeScript III RT-qPCR Mix(製品コード RR600A/B)およびOne Step PrimeScript III RT-qPCR Mix, with UNG(製品コード RR601A/B)は、培養細胞から調製した粗抽出核酸溶液から、WT1遺伝子およびGAPDH遺伝子の発現を検出することができた。リアルタイムPCR反応系に添加する核酸粗抽出液量を増やしても(5 μlや10 μl)Ct値の上昇はほとんど無く、反応阻害物質への耐性が示唆された。
WT1遺伝子
粗抽出核酸溶液
GAPDH遺伝子
粗抽出核酸溶液
II.黄色ブドウ球菌の検出例
- 【方法】
-
簡易核酸抽出
- 1.5 mlマイクロチューブに100 μlのMightyPrep reagent for DNAを用意する。
- 滅菌済のマイクロピペットチップでプレート上の黄色ブドウ球菌コロニーを取り、1.で用意したMightyPrep reagent for DNAに懸濁する。
- チューブの蓋をし、ボルテックスでよく混合する。
- 95℃で10分加熱する。
- 12,000~15,000 rpmで2分間遠心する。
- 上清をRT-PCRの鋳型として使用する。
プライマー/プローブ検出領域
黄色ブドウ球菌rDNA
リアルタイムPCR反応液の調製
コンポーネント | 液量(μl) |
One Step PrimeScript III RT-qPCR Mix | 12.5 |
Forward/Reverse Primers (各10 μM) | 各0.5 |
Takara qPCR Probe (10 μM) | 0.5 |
粗抽出核酸溶液 | 1.0/2.5/5/10 |
RNase Free H2O | X |
合計 | 25 |
リアルタイムRT-PCR反応
反応条件1(逆転写反応無し、図中No RT)
95℃
95℃
60℃
10 sec.
5 sec.
30 sec.
40 cycles
反応条件2(逆転写反応有り、図中RT 5 min)
52℃
95℃
95℃
60℃
5 min.
10 sec.
5 sec.
30 sec.
40 cycles
- 【結果】
-
One Step PrimeScript III RT-qPCR Mixは粗抽出核酸溶液から、黄色ブドウ球菌を検出することができた。また、逆転写反応を行うことにより、検出感度の向上が確認できた。
粗抽出核酸溶液
One Step PrimeScript™ III RT-qPCR Mix