■実験データ
・マッピング結果
サンプル | total reads | mapped reads(%) |
Input | 74,426,066 | 70,219,181(94.35%) |
Otx2 ChIP | 82,794,598 | 75,710,767(91.44%) |
・Otx2 ChIP-seq結果の可視化例
1 ng程度のChIP DNAから十分量のシーケンスライブラリーが作成できた(PCRサイクル=12)。
マッピングデータを見る限り、以前約2,000個のネッタイツメガエル原腸胚を用いて行ったChIP-Seq解析(Yasuoka
et al.,
Nature Communications 2014,
5:4322)と同等の結果が得られている。
■今回の実験結果を受けての今後のご計画・展望
ThruPLEX DNA-Seq Kitを用いることで微量DNAからのライブラリー作製が可能となったので、同一転写因子に対するChIP-Seq解析を繰り返し行い、転写因子がどの程度のばらつき(揺らぎ)を持って結合しているのかを今後明らかにしたい(新学術領域「進化制約方向性」公募研究班 http://constrained-evo.org/proposed_projects.html)。
標的とする転写因子や使用する抗体にもよるが、ChIPに用いる胚の数を50~100個ほどに減らせる可能性もあり、今後さらなる条件検討によってより効率よく研究を進められると期待できる。
■ThruPLEXを使ってChIP解析をしたことがない方へのコメント
ThruPLEX DNA-Seq Kitは蛍光光度計でも測定できないほどの微量DNAからライブラリー作製が可能なので、少数細胞のChIP-Seq解析を行う方にはオススメです。
実験の工程が少なく簡便で、キット内の試薬のチューブラベルも色分けされていてわかりやすく、とても使いやすい仕様になっているので、ライブラリー作製に慣れていない方にもオススメです。