2ドナー(Donor AとDonor B)のPBMCからタカラバイオ独自の手法により、高純度かつ高活性なNK細胞を培養後、CEAに対するキメラ抗原受容体(CAR)発現レトロウイルスベクターを用いて遺伝子導入を行い調製した遺伝子導入細胞(GMC)と遺伝子非導入細胞(NGMC)に対して、フローサイトメトリー(FCM)解析を行った。
FCM解析結果から、GMCおよびNGMC共にCD3-CD56+比率約90%の高純度NK細胞が得られ(図1A)、CD3-CD56+GMCの90%以上は抗CEAを発現していた(図1B)。更に、CEA産生胃がん細胞株(MKN45)とGMC、NGMCを反応させ、抗腫瘍作用を持つサイトカインIFNγと脱顆粒マーカーCD107aを測定した結果、NGMCと比べてGMCはMKN45に対してより強く反応し、IFN-γとCD107a産生能は有意に亢進していた(図1C)。
CEA産生量が異なる3種類の胃がん細胞株を用いて、NK細胞の細胞傷害活性をカルセインアッセイにて測定した結果、抗CEA発現遺伝子導入NK細胞(GMC)はCEA産生量依存的に、遺伝子非導入細胞(NGMC)と比べてより強い細胞傷害活性を示した。