試験法開発・技術移管およびバリデーション

次世代シーケンサーを用いた導入遺伝子の完全性試験

ウイルスや抗体産生用の細胞株作製において、導入遺伝子の詳細な解析は安全性や製造プロセスの確認に重要です。
一般的なサザンプロット法では、細胞に導入された遺伝子コピー数や挿入位置の正確な特定ができません。そのため、新たな試験法として、長鎖リードが取得可能な次世代シーケンサーPacBio Sequel IIを用いた解析法を確立しました。

【解析の流れ】
解析の流れ

<Whole Genome Sequence(WGS)からの試験法の流れ>
  1. ライブラリー作製、シーケンス
    細胞株からゲノムDNAを抽出し、ライブラリーを作製、シーケンス。
  2. 情報解析
    情報解析のながれ
  3. 解析結果の報告内容
    以下報告内容について、解析結果の電子ファイルを中心に結果をお返しします。
    項目 内容
    導入遺伝子のコンセンサス配列 導入遺伝子のコンセンサス配列を報告する。
    導入配列の変異情報 参照配列にマッピングし、変異情報を報告する。
    導入配列の挿入位置情報 導入配列のゲノム配列中の挿入位置情報を報告する。
    導入配列のコピー数 導入配列のゲノム配列に含まれるコピー数を報告する。

    挿入位置情報、コピー数に関しては、導入遺伝子の挿入のされ方、導入遺伝子の長さにより正確に出ないこともあるため、その場合は判定不能として報告します。


<Whole Genome Sequence(WGS)解析結果例>

導入配列の位置情報、コピー数検出例が以下となります。検出された挿入位置の中、信頼性の低いものを示すため、以下のフラグを設けています。

  • リード数が少ない
  • 挿入部位両端を跨ぐリードが取得できていない
Whole Genome Sequence(WGS)解析結果例
信頼性について確認できるフラグをつけて、結果をお返しいたします。

<Amplicon-Seqからの試験法の流れ>
  1. ライブラリー作製、シーケンス
    細胞株からゲノムDNAを抽出し、導入遺伝子の領域をPCRにて増幅、ライブラリーを作製、シーケンス。
  2. 情報解析
    Amplicon-Seqからの試験法の流れ
  3. 解析結果の報告内容
    以下報告内容について、解析結果の電子ファイルを中心に結果をお返しします。
    項目 内容
    導入遺伝子のコンセンサス配列 導入遺伝子のコンセンサス配列を報告する。
    導入配列の変異情報 参照配列にマッピングし、変異情報を報告する。

<Amplicon-Seq解析結果例>

配列のクラスタリングを行い、コンセンサス配列と変異情報を電子ファイルとして納品いたします。

Amplicon-Seq解析結果例
Top10までのクラスターの結果をお返しいたします。

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