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ウイルスベクター製造
レンチウイルスベクター産生用 新規培地を用いた製造例
ウイルスベクター製造
レンチウイルスベクター産生用 新規培地を用いた製造例
CAR-T細胞治療や遺伝子導入造血幹細胞治療といった
ex vivo
遺伝子治療に使用されるレンチウイルスベクターの製造に必要な高産生培地の開発に取り組み、従来と比べ力価が3倍以上に向上しました。本開発では、製造工程中のウイルスの力価低下を抑制する安定化物質をスクリーニングにより絞り込み、培地に添加することで製造したウイルスの感染力価向上が認められました。
レンチウイルスベクター作製サービスでは、本培地を用いた製造も可能です。
【実験結果】
新規生産培地を用いたレンチウイルスベクター生産
HEK293T細胞をT75フラスコに播種し、4日後にZsGreen1遺伝子を搭載したプラスミドをトランスフェクションした。新規培地での生産方法では、トランスフェクションの24時間後に培地交換(回収液をHarvest1とする)を実施し、さらに48時間後まで生産したウイルス液(Harvest2とする)を回収した(図1)。回収したウイルス液を用いてSUP-T1(ヒトTリンパ球性白血病細胞)への遺伝子導入を実施し、FCMで測定したZsGreen1陽性細胞率から感染力価を算出した(図2)。また、ウイルス液のRNAコピー数を
Lenti-X qRT-PCR Titration Kit(製品コード 631235)
を用いて測定した(図3)。これらの結果から、今回開発した新規培地および回収方法を用いることにより、従来培地と比較してウイルス液の生産効率がおよそ3倍以上に向上したことが分かった。
図1. 実験方法
図2. 生産面積あたり感染力価
図3. 生産面積あたりRNAコピー数
固定床型バイオリアクター(iCELLis Nano:Cytiva社)を用いた培地評価
iCELLis Nanoは、小さな短冊状の不織布繊維が多数充填されており、従来の多段式フラスコよりも省スペースでウイルスベクターを生産できる。iCELLis Nanoで生産したウイルス液の感染力価を測定し、培地改良による力価向上効果を確認した。
図4. iCELLis Nano生産ウイルスの総力価
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