レンチウイルスベクター作製

新価格!高効率かつ安定な遺伝子導入システム
<お知らせ>
2025.12.3 新価格で、用途に応じて精製グレードを選べます!

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特長

  • タカラバイオ製品のpLVSINベクター、pLVproベクター、pLVpro2ベクターをご利用いただけます
  • 用途に応じて、複数の精製グレードから選択可能です。
  • 安定発現細胞作製も承ります

概要

レンチウイルスベクター作製受託サービスでは、タカラバイオオリジナルの一過性ウイルスベクター産生システムを用いて、目的遺伝子を搭載した高力価のレンチウイルスベクターを作製いたします。

レンチウイルスベクターを用いた遺伝子導入法は、一般的に以下の利点を持ち、動物細胞への効果的な遺伝子導入法として、多くの遺伝子導入実験に利用されています。
  1. 初代培養細胞、幹細胞、神経細胞、非分裂細胞を含むあらゆる細胞種に遺伝子導入できる。
  2. 安定な遺伝子導入細胞株を得ることができる。
  3. ヒト、マウスおよびラットを含む多くの動物細胞に遺伝子導入できる。
  4. 動物個体に直接遺伝子導入できる。

  • pLVSINベクター
    3'LTR/ΔU3のSIN型ベクターであるため、P2実験施設で使用可能です。
    mRNAを安定化するWPRE配列、ウイルスゲノムの核移行や宿主染色体への組換え効率を高めるcPPT配列などにより、高力価レンチウイルスの産生および導入遺伝子の発現レベルが向上したベクターです。
    Packaging MixはTatタンパク質発現プラスミドを含む「Lentiviral High Titer Packaging Mix」を用います。
    pLVSINベクター
  • pLVpro/pLVpro2ベクター
    pLVpro、pLVpro2ベクターには、いずれもTatタンパク質発現プラスミドを含まない「LVpro Packaging Mix」を用います。

    pLVproベクターは、pLVSINの5’LTRのU3領域をCMVプロモーターに置き換えたHIV-1 Tat非依存性の第三世代レンチウイルスベクターです(下図 ポイント①)。P2実験施設で使用可能です。
    pLVSINからHIV-1由来の配列を削減し(下図 ポイント②)、さらに安全性を高め(下図 ポイント③)、高力価のレンチウイルスベクター調製のためにパッケージングシステムを最適化したベクターです。コンポーネントが減った分、搭載可能な目的遺伝子の長さが5 kb(推奨)まで増えました。

    pLVproベクター

    pLVpro2ベクターは、pLVproからさらに安全性と性能を向上させた最新ベクターです。 新たに2種類のプロモーターラインナップを追加しました(下図ポイント④)。pLVproベクターからHIV-1由来の配列をさらに削減し、力価と安全性を高めました(下図ポイント⑤) 。3’LTR下流にpolyA付加配列を挿入することで、力価をさらに高めました(下図ポイント⑥)。
    pLVproベクター

サービス内容

本受託サービスでは、レンチウイルスを産生するために必要なタンパク質を発現するプラスミドMix(Packaging Mix)と、レンチウイルスベクタープラスミドを宿主細胞に同時にトランスフェクションすることによって、一過性にレンチウイルスベクターを取得します。
エンベロープはヒトを含む広範な生物種に感染可能なVSV-Gを使用します。
トランスフェクション後の培養上清を精製グレードに応じて精製後に分注して納品いたします。
作製したウイルスベクター液の力価は、Lenti-X qRT-PCR Titration Kitで測定したRNAタイターを報告いたします。

※タカラバイオ取扱いベクター以外を使用する場合は、別途ご相談ください。
※ウイルスベクターの力価は、測定方法により異なります。また、ウイルスベクター液の組成、測定に使用する細胞や血清などの影響により、同じ方法であっても施設によって異なることがあります。ご了承ください。

用途に応じて選べる精製グレード
精製グレードの図

精製グレード タカラバイオ製品の
精製キット
クロマトグラフィー ろ過 特徴
Quick Pure 短納期グレード
High Pure Quick Pureよりさらに精製度を高めたグレード
Process Pure 精製工程を治験薬製造プロセスに近づけたグレード

【オプションサービス】
プラスミドDNA調製
  • 目的遺伝子を挿入した発現プラスミドDNA(pLV-GOIベクター)*1を作製し、挿入遺伝子のサイズ*2、挿入接続部位の塩基配列を確認後、大量調製します。
    *1 pLVSINシリーズ、pLVproシリーズ、pLVpro2シリーズを使用
    *2 pLVSINベクターに挿入可能な遺伝子長は4.5 kBまで、pLVpro/pLVpro2ベクターに挿入可能な遺伝子長は5 kBまで
ウイルスベクターの簡易濃縮(約100倍まで)
薬剤耐性コロニー検出法による力価測定
  • 薬剤による選択後、薬剤耐性コロニーを検出し、感染力価を測定
    ※ネオマイシン耐性コロニー検出法の標的細胞には、ヒトHT1080細胞を使用いたします。ウイルス力価として得られる数値は、ウイルス液1 mlあたりのネオマイシン耐性コロニー形成能を示します(Neomycin colony forming unit/ml)。
レンチウイルスベクターによる遺伝子安定発現細胞株作製
  • 標的細胞のセットアップ、レンチウイルスベクターによる遺伝子導入
  • 薬剤耐性となった目的遺伝子導入プール細胞の調製
  • リアルタイムPCRによる目的遺伝子の発現確認
GMP製造はこちら

価格・納期

精製グレード 作業仕様 培養スケール*1 参考収量*2 参考価格 参考納期
Quick Pure
  • レンチウイルス(LV)生産用プラスミドと接着293T細胞を用いたLVベクター生産培養
  • LVベクターを含む培養上清を回収し、ろ過、分注
  • LVゲノムタイターを測定*3
75 cm2 109~1010 vg  ¥900,000~ 5週間~
225 cm2 1010~1011 vg ¥1,150,000~ 6週間~
High Pure 75 cm2 109~1010 vg ¥1,300,000~ 5週間~
225 cm2 109~1010 vg ¥1,650,000~ 6週間~
Process Pure
  • LV生産用プラスミドと接着293T細胞を用いたLVベクター生産培養
  • LVベクターを含む培養上清を回収し、ろ過、クロマトグラフィー、透析、濃縮、ろ過、分注
  • LVゲノムタイターを測定*3
6,360 cm2 1011~1012 vg お問い合わせ
ください
10週間~
25,440 cm2 1011~1013 vg 10週間~
*1 培養スケールは、培養面積を示しています。
*2 参考収量は、あくまで目安になります。搭載遺伝子により変動しますので、収量の保証はいたしかねますこと、予めご了承ください。より多くの量をお求めの際は、お問い合わせください。
*3 Lenti-X qRT-PCR Titration Kit(製品コード631235)を用いて測定します。
※培養のスケールアップや精製方法など、ご相談により作業内容の変更が可能です。

【オプション】
  • プラスミドDNA調製
    • 参考納期:+8週間~
    • 参考価格:¥170,000~/件 (遺伝子長で変動いたします)
  • ウイルスベクターの簡易濃縮
  • 薬剤耐性コロニー検出法による力価測定
  • レンチウイルスベクターによる安定発現細胞作製
  • 計画書作成、報告書作成

納品物

  • 精製レンチウイルスベクター液
  • サービスレポート
  • 【オプションサービス】 調製したプラスミドDNA

ご注文方法

  • 以下のフォーマットにご記入のうえ、電子メールにてこちらへご送付ください。
  • 以下の手続きの後に実際のサービスを開始します。
    1. 挿入遺伝子に関する情報を開示ください。 < 遺伝子情報書式用紙 ver.7
      タカラバイオの遺伝子組換え実験安全委員会への申請に必要な情報(遺伝子産物の性質、塩基配列等)をお知らせいただきます。
      電子ファイルに必要事項をご記載後、メールでお送りください。
      なお、メール送信の際には情報漏洩に充分ご注意ください。(弊社では責任を負いかねます)
      情報の扱いには十分注意を払っております。また、情報開示にあたり、秘密保持契約を必要とされる場合はご用意いたします。
    2. タカラバイオの安全委員会において、開示いただいた遺伝子情報をもとに、必要とされる物理的封じ込めレベルを判断し、折り返しご連絡させていただきます。
      P2レベル以下で扱うことができない遺伝子の場合、サービスをお断りすることになります。

受入サンプル

プラスミドDNA(pLV-GOI Vector)*
75 cm2 培養スケール:15 µg以上
225 cm2 培養スケール:50 µg以上
6,360 cm2 培養スケール:1.5 mg以上
25,440 cm2 培養スケール:6 mg以上
シーケンスにて事前に全長配列をご確認いただいたプラスミドをご提供いただく事を推奨いたします。

【オプションサービス】
プラスミドDNA構築からの場合は、GOI配列と、ご使用されるベクター(pLVSINシリーズ、pLVproシリーズ、pLVpro2シリーズ)をご教示ください。

ご留意事項

  • 本作業で作製したレンチウイルスベクターを商業目的で使用される場合には、個別にライセンス契約の締結が必要となる場合があります。
  • レンチウイルスベクターの取り扱いは、挿入されている遺伝子の全塩基配列が既知で、かつ、その遺伝子が毒性あるいは病原性等を示さず安全であると判断できる場合に限りP2レベルで扱うことができます。本サービスでは、P2レベルで扱うことのできる場合のみ、ご依頼をお受けしています。
  • お客様よりご提供いただいたサンプル・情報および納品物の複製物は、別途期限を定めている場合を除き、業務終了後3ヵ月を経過すると順次廃棄いたします。ご了承ください。
注意事項
  • 本受託サービスは、個別に合意した場合を除き、すべて研究目的として作業を行います。納品物を試験研究目的以外へご使用される場合、弊社では納品物に起因する損失・損害等については一切の責任を負いかねます。納品物によっては、その構成物(例えば、ベクター、蛍光色素など)の使用に制限がある場合がありますのでご注意ください。
  • 納品物に起因して、直接的もしくは間接的に発生したお客様の損害については、明らかに弊社の責に帰すべき事由による場合を除いて、弊社は一切その責任を負いません。
  • ウェブサイトに掲載している会社名および商品名などは、各社の商号、または登録済みもしくは未登録の商標であり、これらは各所有者に帰属します。