下水疫学調査(下水サーベイランス)用リアルタイムPCRキット

【ノロウイルス】下水サンプルからのウイルス遺伝子検出結果

【対象製品】
Norovirus Detection RT-qPCR Kit for Wastewater(製品コード RC387A)

【概要】
山梨県内の下水処理場において採取した、ノロウイルスGIおよびGII陽性の下水流入水9サンプルについて、ノロウイルスGIおよびGIIの検出を行った。反応はN=2で実施した。

【結果】
全てのサンプルからノロウイルスGIおよびGIIが検出された。
リアルタイムRT-qPCR によるノロウイルスGIおよびGII検出結果(Ct値および増幅曲線)
図1.リアルタイムRT-qPCRによるノロウイルスGIおよびGII検出結果(Ct値および増幅曲線)

【方法】
ウイルスの濃縮:PEG沈殿法
  1. 40 mlの下水サンプルにPEG8000を4.0 gおよびNaClを0.94 g添加し、混合する。
  2. 12,000×g 99分 4℃の条件で遠心する。
  3. 上清を除去する。
  4. 12,000×g 5分 4℃の条件で遠心する。
  5. 上清を除去する。
  6. 800 μlの滅菌水で沈殿物を懸濁する。
従来法の4℃での一晩の振とうおよびその後の遠心の工程を、手順2~5にて代用することにより作業時間を短縮しました。
公益社団法人日本水環境学会COVID-19タスクフォース発行「下水中の新型コロナウイルス遺伝子検出マニュアル」(2021年3月)

核酸精製
上記の方法で得られたウイルス濃縮液から分取した140 μlについて、核酸抽出キットのプロトコールに従って精製を行い、RNA抽出液60 μlを回収した。

  • リアルタイムPCR反応液組成:取扱説明書記載の通り。
  • リアルタイムPCR装置:Thermal Cycler Dice Real Time System III (Cy5) with PC(製品コード TP990)
  • リアルタイムPCR条件:
    25℃
    42℃
    95℃
    95℃
    56℃
     10 min.
    5 min.
    30 sec.
    5 sec.
    30 sec.
    45 cycles

本手順およびデータは、弊社との共同研究を通じて、国立大学法人山梨大学国際流域環境研究センター 原本英司教授よりご提供いただきました。

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