プロトコール同士の比較を行うため、異なるサイズの合成オリゴDNA 2種類からなる混合物(160 base : 100 pg/50 base : 300 pg)を使用し、それぞれのプロトコールに基づき、本製品を使用してライブラリーを調製しました。
B.短鎖DNA最適プロトコールを使用してライブラリー調製を行ったところ、
A.基本プロトコールの約2倍のライブラリー量が得られました(表1)。TapeStation HD5000(Agilent社)でライブラリーのサイズを評価したところ、
B.短鎖DNA最適プロトコールにおいては160 base および50 base由来の2種類の波形がともに確認されました(図2)。また、いずれのプロトコールにおいてもアダプターダイマー由来のピークは確認されませんでした。
表1. 合成オリゴDNAの混合物*より調製されたライブラリーの収量
| ライブラリー収量(ng) |
A.基本プロトコール | 440 |
B.短鎖DNA最適プロトコール | 848 |
※合成オリゴDNAを2種類混合したもの(160 base : 100 pg/50 base : 300 pg)
図2.合成オリゴDNAの混合物*より調製されたライブラリーのサイズ分布
A.基本プロトコール、
B.短鎖DNA最適プロトコール
それぞれのプロトコールで調製されたライブラリーを使用し、シーケンス解析を行いました(図3)。Total Mapping(%)についてはいずれのプロトコールにおいても98%以上となり、アダプターダイマーの形成を抑制できていることをシーケンス結果からも確認できました。マッピングされた全リードに対して合成オリゴDNA 50 baseに由来するリードが占める割合を比較したところ、
B.短鎖DNA最適プロトコールは
A.基本プロトコールの約5倍となりました。この結果は
B.短鎖DNA最適プロトコールを使用することにより、50 baseという極めて短いフラグメントからもシーケンス結果を得ることが可能であることを示唆します。
図3.合成オリゴDNAの混合物*より調製されたライブラリーのシーケンス結果
*合成オリゴDNAを2種類混合したもの(160 base : 100 pg/50 base : 300 pg)
NextSeq 2000(Illumina)でペアエンドシーケンス(2×150 bp)を行い、BWA-MEMを使用して160 baseおよび50 baseの既知配列にアライメントした。Total Mapping(%)は160 baseおよび50 baseの既知配列にアライメントされたリードの割合を示す。Total Mapping(%)の内訳は160 baseまたは50 base由来のリードの比率を色別に示す。