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RNA-Seq解析 Q&A

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<解析手法に関する疑問>

Q1 mRNA対象とtotal RNA対象の違いは何ですか?
A1
<mRNA対象>
mRNA対象は、SMART-Seq v4 Ultra Low Input Kit + Nextera XT DNA Library Prep Kitを使用して、non-strandedライブラリー作製を行うRNA-Seq解析メニューです。
total RNAよりpolyA RNAを対象に、Oligo dT Primerを用いてcDNA増幅を行います。
polyA RNAを持たないnon-coding RNAは解析対象に含まれません。
cDNAサンプルでの受入も可能ですが、SMART-Seq mRNA Kit、SMART-Seq v4 Ultra Low Input RNA Kit、SMART-Seq HT KitまたはSMART-Seq Single Cell Kitで合成したcDNAに限ります。
また上記以外にTruSeq Stranded mRNA Library Prep Kitを使用したRNA-Seq解析サービスも対応しております。

<total RNA対象>
total RNAからSMART-Seq Stranded Kitを用いてStrandedライブラリーを作製します。ヒト、マウス、ラットが対象です。
total RNAよりRandom Primerを用いてcDNA増幅を行い、rRNA除去を行い、ライブラリーを作製します。polyAを持たないnon-coding RNAも解析対象に含まれます。
FFPE由来などの分解が進んだRNAの解析も可能です。
Q2 GeneChipなどのマイクロアレイ解析とNGSのRNA-Seq解析、どのような違いがありますか?
A2   どちらも網羅的に遺伝子発現を解析する手法ですが、マイクロアレイ解析は設計されているプローブのみの検出となります。RNA-Seq解析は新規の領域を含めて測定可能で、マイクロアレイがない生物種でも対応可能です。
またGENCODE登録のタンパク質をコードする遺伝子では約77%が複数の転写産物を持っており、それらの遺伝子で転写産物単位を区別して発現解析を行うには、RNA-Seq解析が有効です。

<解析対象に関する疑問>

Q3 遺伝子情報の無い生物種や、データベースに登録の無い新規転写産物も探索したいです。可能ですか?
A3   ロングリードシーケンサー(PacBio Sequel II)を使用したRNA-Seq解析で、de novo RNA-Seq解析Iso-Seq解析をご検討ください。
Q4 lncRNAやアンチセンスRNAの解析は可能ですか?
A4   可能です。ヒト、マウス、ラットが対象のSMART-Seq Stranded Kitを用いた方法がございます。
Q5 菌体のRNA-Seqを依頼することは可能ですか?特別な作業が発生しますか?
A5   菌体のRNA-Seqも可能です。BacteriaのrRNA除去処理を実施し、ライブラリーを作製します。
菌体からのRNA抽出からご依頼の場合は、事前に「解析生物に関する情報提供用紙」をご提出ください。受入れ可否を確認いたします。詳細はこちら

<データに関する疑問>

Q6 既知遺伝子の発現を調べたい場合、シーケンスデータ量は1検体あたりどの程度取得したらよいですか?
A6   mRNAを対象とした解析の場合、4,000万リード(2,000万フラグメント)/検体を取得することで低発現の遺伝子も検出できます。(ヒトなど哺乳類の場合)
total RNAを対象とした解析は、mRNAだけでなくlncRNAなども検出されますので、多めの8,000万リード(4,000万フラグメント)/検体の取得が目安になります。
Q7 発現量のFPKM値とTPM値の違いを教えてください。
A7   FPKMはfragments per kilobase of exon per million reads mappedの略であり、100万マッピングフラグメント当たりの、エクソン1 kbのリード数となります。
TPMはtranscripts per millionの略であり、遺伝子長がすべて同じとした際の100万マッピングフラグメント当たりのフラグメント数となります。
最近ではTPMがより実際の遺伝子発現との一致が高いとされており、正規化の方法としてよく利用されています。
Q8 他社で取得したシーケンスデータについて、遺伝子発現解析をタカラバイオに依頼したいです。どのような情報を提供したらいいですか?
A8   解析にはゲノム配列(FASTA形式)および遺伝子アノテーションファイル(GTF形式)が必要です。
特に指定がない場合は、GENCODEおよびEnsemblから取得したデータを使用します。
データ取得サイトを指定したい場合やデータのファイル形式が異なる場合などは別途ご相談ください。
Q9 過去に取得したマイクロアレイの結果と比較することは可能ですか?
A9   直接の比較解析はできません。同じ手法で取得したデータ同士で比較する必要があります。
Q10 論文などに使用できるヒートマップ図などを作成してもらえますか?
A10   論文用の図の作成サービスは行っておりません。

<サンプルに関する疑問>

Q11 RNA抽出の推奨キットを教えてください。
A11   検体の形状により、使用するキットが異なります。弊社ではNucleoSpin RNA抽出キットなども販売しております。
Q12 急ぎRNAサンプルを送りたいです。こちらでサンプルの品質は確認しなくていいですか?
A12   弊社にてRNAの品質検定を実施しますが、可能な限り事前に品質検定を実施してください。分解などの問題がある場合は再送などをご相談いたします。
また、短納期RNA-Seq解析(約2週間納品)では、提供いただいた情報をもとに作業を行いますので、事前のRNA品質検定が必須となります。
Q13 提供予定のRNAが正確な定量が困難なほど微量なのですが、受入可能ですか?
A13   はい、可能です。
価格や納期についてはお問い合わせください。
Q14 FFPEサンプル由来のRNAは解析可能ですか?
A14   はい、可能です。
ライブラリー作製試薬はSMART-Seq Stranded Kitを使用します。
ただし、RNAの分解が強く進行しているとライブラリー作製不良となる可能性がございます。