TaKaRa RNA LA PCR™ Kit (AMV) Ver.1.1

Standard Protocol
 (TaKaRa RNA LA PCR Kit(AMV) Ver.1.1)

■ 操作手順

(1)逆転写反応

  1. 下記に示す反応液を調製する。
    試薬使用量最終濃度
    MgCl22 μl5 mM
    10 × RNA PCR Buffer1 μl1 ×
    RNase Free dH2O4.25 μl 
    dNTP Mixture(各10 mM)1 μl各1 mM
    RNase Inhibitor0.25 μl1 U/μl
    AMV Reverse Transcriptase XL*10.5 μl0.25 U/μl
    Random 9 mers
        or
    Oligo dT-Adaptor Primer
        or
    特異的下流PCRプライマー
    (R-1 Primer)
    0.5 μl 2.5 μM
     or
    0.125 μM
     or
    1 μM
    Positive Control RNA
        or
    Experimental Sample
    0.5 μl [1 ×105 copies]
     or
    [≦ 500 ng total RNA]
    Total10 μl/sample 
    *1 AMV Reverse Transcriptase XLはcDNAに結合しているため、そのままPCRを行うと反応を阻害する。(1)-1の反応液の場合、99℃、5分でAMV Reverse Transcriptase XLは失活し、PCRに対する阻害もなくなる。もし、Reverse Transcriptaseの濃度が増えると不活性化が難しくなるので、長鎖のRNAの場合はReverse Transcriptaseの量を増やすよりも、反応時間を長くすることを勧める。
  2. 反応に用いるプライマーは、Random 9 mers、Oligo dT-Adaptor Primer、特異的下流PCRプライマー(Control RNAの場合はR-1 Primer)のいずれかを選ぶ。

    調製済のチューブをサーマルサイクラーにセットし、次のプログラムで反応を行う。
    (30℃、10 min)*21 cycle
    42~60℃*3、15 min~30 min
    99℃、5 min*4
    5℃、5 min
    *2 プライマーにRandom 9 mersを用いる場合は、Random 9 mersがサンプルRNAと42~60℃で充分アニーリングできるような長さになるまで伸長するように、あらかじめ30℃で10分間逆転写反応を行うこと。
    *3 AMV由来Reverse Transcriptaseは60℃でも逆転写反応を行うことができる。ただし、高温で反応性の悪い場合は42℃付近での反応を勧める。
    *4 長鎖を増幅する場合は、1stストランドcDNAにニックなどのダメージを与えないように70℃、15 minの失活操作を行うこと。

(2)PCR反応

  1. 下記に示す反応液を調製する。
    試薬使用量最終濃度
    MgCl23 μl2.5 mM
    10×LA PCR Buffer II(Mg2+ Free)4 μl
    滅菌精製水31.75 μl 
    TaKaRa LA Taq0.25 μl12.5 U/50 μl
    上流PCRプライマー
    (Control RNAの場合F-1 Primer)
    0.5 μl0.2 μM
    下流PCRプライマー*5
    [Control RNAの場合R-1 Primer、またはM13 M4 Primer
    (逆転写の際Oligo dT-Adaptor Primerを用いた場合)]
    0.5 μl0.2 μM
    Total40 μl/sample  
    *5 逆転写反応で下流PCRプライマーを用いた場合は、下流PCRプライマーの代わりに滅菌精製水を0.5 μl加える。
  2. 1. の反応液40 μlを(1)-2.で逆転写反応を終了したチューブに添加する。
  3. マイクロ遠心機で約10秒間遠心する。
  4. 調製したチューブをサーマルサイクラーにセットし、至適プログラムで増幅させる。
    94℃、 2 min1 cycle
    94℃、 30 sec25~35 cycles
    55~65℃、 30 sec
    72℃、 X min*6
    *6 約 1 kb/1 minで設定する。
    プライマーのTm値が高い場合には、シャトルPCR (2ステップPCR)も有効である。
    94℃、 2 min1 cycle
    94℃、 30 sec25~35 cycles
    65~68℃、 X min*6
    *6 68℃の場合、約 1 kb/1 minで設定する。
  5. 反応終了後、反応液の一部(5~10 μl)で、アガロースゲル電気泳動を行い、反応産物を確認する。PCR増幅産物は解析するまで凍結保存しておく。
    表1 コントロールRNAを用いた場合の増幅断片(bp)
    逆転写反応primerPCR primers 増幅断片
    Oligo dT-Adaptor Primer F-1とM13 Primer M4
    またはF-1とR-1
    約1.2 kb
    462 bp
    Random 9 mersF-1とR-1 462 bp
    Control R-1 PrimerF-1とR-1 462 bp

図1 Positive Control RNA:各プライマーを用いた際の増幅断片

■ PCRの条件について

  • アニーリング温度
    Positive Control RNAの場合は60℃で行うが、実際のサンプルの場合は条件が変わる。長鎖の増幅には25 mer程度のプライマーを使用することが多いため、通常、55~65℃の範囲で至適温度を検討する。
  • 伸長時間
    伸長時間はターゲットの長さに応じて設定する。通常、68~72℃で約 1 kb/1分を目安とする。
  • サイクル数
    cDNA量が少ない場合は、40~50 cycles行う必要がある。

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