DNA Blunting Kit

形質転換による平滑末端化の確認

操作手順

pTV119N DNAを、BamH I、Pst I で分解した後、アガロース電気泳動を行い、ゲルより切り出して精製する。このDNA500 ngを、Protocolにしたがい平滑末端化およびself circu-larizationを行う。制限酵素の不完全分解によるブランクを下げるために、ライゲーション後、DNAをXba I で切断する。平滑末端化±でライゲーション前、ライゲーション後およびXba I 切断後のDNAそれぞれを用いて、E. coli JM109 Competent Cellsを形質転換し、X-Gal、IPTGを含むプレート上でコロニーを形成させる。
平滑末端化を行うと、BamH I で切断されたDNA(5'突出末端)は、3'陥没部分に塩基が付加され、Pst I で切断されたDNA(5'陥没末端)は、3'突出部分の塩基が削られる。その両末端がライゲーションすると、もとのpTV119N DNAより18塩基(6アミノ酸)削られるが、lacZのリーディングフレームの枠はあっているので、青色コロニーを生じる。

結果

ライゲーション後、Xba I で切断したときに、平滑末端化を行った場合のみ、青色コロニーが生じており、DNA Blunting Kitにより正しく平滑末端化が行われていることが確認された。

表1 形質転換による平滑末端化の確認

平滑末端化
青色コロニー/
μg DNA
白色コロニー/
μg DNA
ライゲーション前
ライゲーション後
Xba I 切断後
4.2×104
1.7×104
0
0
7.0×102
0
ライゲーション前
ライゲーション後
Xba I 切断後
1.2×104
1.0×106
8.7×105
0
3.0×104
2.0×104

※本実験で使用したコンピテントセルは、2.7×106コロニー/μg pTV119N DNAの形質転換効率を持つ。

図1 pTV119N DNAの形質転換の原理

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