pLVSIN蛍光タンパク質ベクター

pLVSIN-IRES-ZsGreen1 Vector を用いた遺伝子導入

【方法】

pLVSIN-IRES-ZsGreen1 Vector (製品コード 6191)のMCSにDsRed2遺伝子(約0.7 kb)を挿入し、pLVSIN-DsRed2-IRES-ZsGreen1 vectorを作製した。
pLVSIN-DsRed2-IRES-ZsGreen1 vectorを、Lenti-X Packaging Single Shots (VSV-G)(製品コード 631275)を用いてLenti-X 293T細胞(製品コード 632180)へ導入し、組換えレンチウイルスを調製した。ウイルス上清を用いて、ポリブレン法でHT1080細胞またはHeLa細胞への感染を行い、48時間後に顕微鏡観察とFCM解析を行った。

組換えレンチウイルスを用いた遺伝子導入
前日 細胞(HT1080またはHeLa)播種(1×105 cells/培地1 ml/ウェル, 12ウェルプレート使用)
当日ウイルス上清 150 μl+培地(ポリブレン含) 350 μl/ウェルを細胞に添加
6時間後に培地(ポリブレン不含)500 μl/ウェルを添加
1日目培地交換 (1 ml/ウェル)
2日目顕微鏡観察 FCM解析

【使用ベクター】
pLVSIN-DsRed2-IRES-ZsGreen1 vector


pLVSIN-IRES-ZsGreen1 Vector


【結果】

  1. 顕微鏡観察
    pLVSIN-DsRed2-IRES-ZsGreen1 vectorを用いて作製したウイルス上清原液150 μlをHT1080細胞へ感染させ、48時間後に位相差および蛍光顕微鏡にて観察した。

    対物レンズ:×10
    位相差
    ZsGreen1
    DsRed2


  2. フローサイトメトリーによる発現強度の比較
    pLVSIN-DsRed2-IRES-ZsGreen1 vectorを用いて作製したウイルス上清希釈液をHT1080細胞またはHeLa細胞へ感染させ、48時間後にFCMで解析した。比較として、pLVSIN-IRES-ZsGreen1 Vectorを用いて同様の操作を行った。
    ZsGreen1の遺伝子導入効率が20%以下のサンプルをsingle copy導入細胞とみなし、ZsGreen1の発現強度をMFI(Mean of Fluorescent Intensity)で示した。



     HT1080HeLa
    IRES-ZsGreen11749 (1.0)1200 (1.0)
    DsRed2-IRES-ZsGreen14099 (2.34)1776 (1.48)
    ()はIRES-ZsGreen1の発現強度を1とした値

    Single CopyあたりのZsGreen1の蛍光強度は、pLVSIN-DsRed2-IRES-ZsGreen1 Vectorで作製したウイルスのほうが、pLVSIN-IRES-ZsGreen1 Vectorで作製したウイルスを用いた場合よりも高くなった。

    一般的に、IRES配列前のMCSに翻訳されるORFをクローニングしていない状態では、IRES配列後の蛍光タンパク質の発現が低くなる傾向があるため、IRES前のMCSに約0.7~1.2 kbの遺伝子を挿入して使用することをお勧めする。

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