レトロウイルスベクター作製

レトロウイルスベクターを用いたナチュラルキラー細胞(NK細胞)への遺伝子導入

タカラバイオが開発した独自の手法(レトロネクチン拡大培養法、高純度NK細胞培養法およびレトロネクチン法)により、レトロウイルスベクターを用いて高純度NK細胞に対する遺伝子導入を行った。
レトロウイルスベクターを用いた遺伝子導入
<実験方法>
  1. Day-7~Day7:レトロネクチン拡大培養法により、末梢血リンパ球(PBMC)からレトロネクチン誘導T細胞(RN-T細胞)の拡大培養を行った。
  2. Day0:RN-T細胞をフィーダー細胞として用いた高純度NK細胞培養法により、PBMCからNK細胞培養を行った。
  3. Day7~8:レトロネクチン法により、レトロウイルスベクターを用いて遺伝子導入を行った。
  4. Day18~21:各種解析を実施した(図1、図2)。

レトロウイルスベクターを用いて、がん胎児性抗原(CEA)を標的とする遺伝子を導入した高純度培養NK細胞の作製
図1.レトロウイルスベクターを用いて、がん胎児性抗原(CEA)を標的とする遺伝子を導入した高純度培養NK細胞の作製

2ドナー(Donor AとDonor B)のPBMCからタカラバイオ独自の手法により、高純度かつ高活性なNK細胞を培養後、CEAに対するキメラ抗原受容体(CAR)発現レトロウイルスベクターを用いて遺伝子導入を行い調製した遺伝子導入細胞(GMC)と遺伝子非導入細胞(NGMC)に対して、フローサイトメトリー(FCM)解析を行った。
FCM解析結果から、GMCおよびNGMC共にCD3CD56比率約90%の高純度NK細胞が得られ(図1A)、CD3CD56GMCの90%以上は抗CEAを発現していた(図1B)。更に、CEA産生胃がん細胞株(MKN45)とGMC、NGMCを反応させ、抗腫瘍作用を持つサイトカインIFNγと脱顆粒マーカーCD107aを測定した結果、NGMCと比べてGMCはMKN45に対してより強く反応し、IFN-γとCD107a産生能は有意に亢進していた(図1C)。

CEA産生量が異なる癌細胞株に対する抗CEA発現NK細胞の細胞傷害活性測定
図2. CEA産生量が異なるがん細胞株に対する抗CEA発現NK細胞の細胞傷害活性測定

CEA産生量が異なる3種類の胃がん細胞株を用いて、NK細胞の細胞傷害活性をカルセインアッセイにて測定した結果、抗CEA発現遺伝子導入NK細胞(GMC)はCEA産生量依存的に、遺伝子非導入細胞(NGMC)と比べてより強い細胞傷害活性を示した。

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