製品説明
	本酵素は、鋳型DNA、プライマー存在下でdNTPを基質とし、鋳型に相補的なDNAを5’→3’方向に合成する酵素である。本酵素は、Klenow Fragmentに比べて、約100~1,000倍強い一本鎖DNA特異的 3’→5’exonuclease活性が含まれているが、5’→3’exonuclease活性は持たない。
		保存
	-20℃
		濃度
	2~5 U/μl
		形状
	
| 200 mM | リン酸カリウム緩衝液(pH6.5) | 
| 1 mM | DTT | 
| 50% | グリセロール | 
 		添付Buffer組成(10×)
	
| 330 mM | Tris-acetate(pH7.9) | 
| 660 mM | CH3COOK | 
| 100 mM | (CH3COO)2Mg | 
| 5 mM | DTT | 
| 0.1% | BSA[別添付] | 
活性の定義
	活性化ポリ(dA-dT)を鋳型/プライマーとして用い、37℃、pH8.8において、30分間に10 nmolの全ヌクレオチドを酸不溶性沈殿物に取り込む酵素活性を1 Uとする。
		活性測定用反応液組成
	
| 67 mM | Tris-HCl(pH8.8) | 
| 6.7 mM | MgCl2 | 
| 16.6 mM | (NH4)2SO4 | 
| 1 mM | DTT | 
| 6.7 μM | EDTA | 
| 0.0167% | ウシ血清アルブミン | 
| 7 μg/ml | 活性化ポリ(dA-dT) | 
| 各330 μM | dATP、dTTP | 
| 8 μCi/ml | [3H]dTTP | 
品質管理データ
			使用上の注意
	
- 活性の発現にMg2+を要求し、最大活性のためにはSH還元剤を要求する1)。
- 反応系全体のイオン強度が100 mMを超えると阻害される2)。
- 10×添付Bufferに0.1%ウシ血清アルブミンを直接加えると多量の白沈が生じるので、反応液を調製する際は次の順番で試薬を加える。
 滅菌精製水→10×添付Buffer→0.1% BSA→基質DNA
用途
	
- DNAフラグメント末端の平滑化4)
- 3’→5’exonuclease活性を利用した、replacement synthesisによるDNAフラグメントの3’末端からの標識3, 6)
起源
	Escherichia coli carrying the plasmid containing phage  T4 DNA polymerase gene
		一般的性質
	
- 分子量
 114,000
- サブユニット
 単純ポリペプチド
 15個のシステイン残基を持ち、活性に必須
- 補因子
 Mg2+ (至適濃度:6 mM)、Mn2+(至適濃度:0.1 mM、6 mM Mg2+のときの1/4)、SH試薬(2-メルカプトエタノール、DTT等)
- 活性化剤
 Polymerase活性は、T4 gene 32産物により特異的に顕著な活性の増大を示すが、exonuclease活性は飽和量のT4 gene 32産物により完全に阻害される。
- 阻害剤
 NEM
- 安定性
 vortex等の激しい撹拌により失活する。
- 至適塩濃度
 100 mM(高すぎると阻害、200 mMで50 mMの5%)
- polymerase活性とexonuclease活性の関係
 次の3つの条件が揃うとpolymerase活性を示す。
 1.鋳型
 2.鋳型より少なくとも1塩基は短い3'-OH末端のプライマー
 3.鋳型に相補的なdNTP
 このうち1つでも欠けるとexonucleaseとして働く。