本製品のご購入には拡散防止措置に関する確認書が必要です。
pLVX-Puroベクター
pLVX-Puro(図1)をはじめLenti-Xシリーズのすべてのレンチウイルスベクターには、レンチウイルス特異的LTR、パッケージング配列(Ψ)、cDNAを挿入するマルチクローニングサイト(MCS)、ピューロマイシン耐性遺伝子、ならびにパッケージングやウイルス力価、導入遺伝子の発現を増強するWPREおよびcPPTエレメントが含まれている。
WPRE 配列は293T 細胞でのパッケージングを促進して高力価に寄与し、標的細胞中のmature mRNAの産生を促して導入遺伝子の発現を強化する(1)。cPPTエレメントは感染の際にウイルスゲノムの核への移行を促し、遺伝子導入効率を高める(2)。
図1. pLXV-Puroのベクターマップ
pLVX-Puroベクターには、レンチウイルス特異的LTR、パッケージング配列(Ψ)、目的遺伝子を挿入するマルチクローニングサイト(MCS)、ピューロマイシン耐性遺伝子、並びにパッケージングやウイルス力価、導入遺伝子の発現を増強するWPREおよびcPPTエレメントが含まれている。 効率の高いパッケージング
Lenti-X Expression Systemには、Lenti-X Packaging Single Shots(VSV-G)が含まれる。Lenti-X Packaging Single Shots(VSV-G)は、レンチウイルスのパッケージングと複製に必要なベクターと、トランスフェクション試薬Xfect Transfection Reagentが予め1チューブ中にプレミックスされた製品である。目的遺伝子を搭載したレンチウイルスベクター水溶液を加え溶解後、10 cmディッシュ中の293T細胞培養に加えるだけで、高タイターのレンチウイルスベクターを作製することができる。得られる高力価ウイルス上清は濃縮せずに直接使用できる。
高力価&迅速な選択が可能
Lenti-X Expression Systemを用いて、高力価のpLentiX-Puroウイルス培養上清を取得し、この段階希釈液を293T培養細胞へ感染させた(図2)。感染細胞を10 cm培養プレート上で再度プレーティングし、ピューロマイシンを用いて形質導入クローンの選択を行い、得られた安定形質導入株のコロニーを染色した。わずか0.1 μlの上清で感染させた細胞から数百コロニーが得られ、1 μlで感染させた細胞から生じたコロニーはプレート全体に広がっていた。これらの結果は、標準的なpLentiX-Puroウイルス培養上清が高力価で極めて感染性の高いことを示している。
Lenti-X Expression Systemは、レンチウイルス調製のための包括的なシステムである。このシステムでは、安全で様々なアプリケーションに使用可能な高い力価のレンチウイルス上清が簡単に調製可能である。
図2. 形質導入細胞のピューロマイシンによる選択
Lenti-X HTX Packaging Systemを用いて調製したpLVX-Puro上清の各液量(μl)で、293T細胞の感染を行った。ピューロマイシン選択を9日間行って耐性コロニーを形成させ、クリスタルバイオレットで染色した。 ご注意:拡散防止措置に関する確認書が必要な製品です。
Lenti-XシリーズのpLVX系レンチウイルスベクターはプロウイルスにおいてLTRのプロモーター活性を持つため、HIV-1の増殖力等欠損株とは見なされません。このため、これらのベクターを用いた遺伝子組換え実験は、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物多様性の確保に関する法律第13条に基づき、文部科学大臣による拡散防止措置の確認が必要です。
なお、該当製品をご注文の際に、これらのベクターを使用するにあたり文部科学大臣による拡散防止措置の確認を受けていることをご提示いただく確認書「Lenti-Xシリーズレンチウイルスベクター 拡散防止措置に関する確認書」の添付が必要です。