組換えレンチウイルスは現在、第3または第4世代が研究用に使用されている。これらはキャプシドタンパク質(p24)、核キャプシドタンパク質(p6とp7)、マトリクスタンパク質(p17)の4つの遺伝子をコードする
gag遺伝子を共通に保持している。Lenti-X p24 Rapid Titer Kitは、ウイルス上清を用いてp24タンパク質量を測定するためのキットである。キャプシド(殻)中に存在するp24タンパク質(図1)の濃度は、レンチウイルスの実際のタイターと相関している。
図1. レンチウイルス粒子
p24タンパク質はHIV-1
gag遺伝子がコードする4つの遺伝子のうちの一つから作られ、レンチウイルスのキャプシド(殻)中に存在する。
使用方法
上清中の組換えレンチウイルスを添付のバッファーで溶解し、p24タンパク質を含んだサンプルを調製する。サンプルを96ウェルフォーマット(分割可能な8連ウェル×12、抗p24マウス抗体をコート済み)の各ウェルに加え、p24タンパク質を抗体に結合させる。
結合しなかったライセートを洗い流し、ビオチン化二次抗体とストレプトアビジン-HRP、発色試薬でp24タンパク質の濃度を測定する(図2)。本キットにはp24タンパク質が陽性コントロールとして含まれており、検量線の作成、サンプルのウイルス濃度の算出に使用できる。
| Lenti-X p24 Rapid Titer Kit (Single Wash) | Lenti-X p24 Rapid Titer Kit |
二次抗体 | HRP標識 | ビオチン標識 |
操作時間 | 1.5時間 | 3時間 |
全操作ステップ | 4ステップ | 8ステップ |
洗浄回数 | 1回 | 3回 |
p24測定範囲 | 100~1,600 pg/ml | 12.5~200 pg/ml |
図2.両キットの操作フロー
図3. Lenti-X p24 Rapid Titer Kit (Single Wash)の反応イメージ
培養上清と溶解バッファー、HRP標識二次抗体を混合したサンプルを調製し、抗p24マウス一次抗体コート済みのウェルに加え、インキュベートする。洗浄後、発色試薬を加えてp24タンパク質を検出する。
図4. Lenti-X p24 Rapid Titer Kitの反応イメージ
培養上清と溶解バッファーを抗p24マウス一次抗体コート済みのウェルに加え、インキュベートする。洗浄後、ビオチン標識二次抗体、ストレプトアビジン-HRPを順番に反応させた後、発色試薬を加えてp24タンパク質を検出する。