Magnosphere MS300/Streptavidinは、親水性表面を有する磁性粒子にストレプトアビジンが固定化された製品である。粒子表面へのタンパク質、核酸等の非特異的吸着が低く抑えられているため、サンプル中のビオチン標識された分子を特異的に高純度で回収することができる。
さらに粒子表面がポリマー層でコーティングされているため酵素反応を阻害することが無く、例えばPCR反応系に添加しても核酸増幅に影響を与えない。定量PCRにおいても、装置の光学系が反応チューブ上方から励起して蛍光を読み取る方式であれば、Magnosphere MS300/Streptavidin存在下でも定量が可能である。また酵素免疫測定においても、ビオチン化一次抗体の結合用担体として使用できる。Magnosphereは均一な粒子径を持ち、超常磁性を示すため、磁気分離や再分散のハンドリングが非常に容易である。
図1. PCRへの影響の確認実験
濃度既知の100 bp DNAにMagnosphere MS300/Streptavidinを添加した状態で定量PCRを行い、Threshold Cycle(Ct)を測定した。Magnosphere MS300/Streptavidinは、PCRチューブに3 mgまで添加してもPCR阻害を起こさず、Ct値は一定であった。
図2. 免疫測定実験
Magnosphere MS300/Streptavidinと他社製アビジン粒子にビオチン化抗AFP抗体を結合し、EIA実験を行った。AFP濃度を変えてシグナル強度を測定したところ、他社製品と比較して高いシグナルを示した。
図3. ビオチン化dsDNAの回収
プロトコルに従って濃度の異なるビオチン化100 bp dsDNAをMagnosphere MS300/Streptavidin粒子で回収し、定量PCRにより結合量を求めた。