製品説明
不安定化蛍光タンパク質(FP-DR)は、代謝回転率が速く、半減期が短いという特徴を有している。他の蛍光タンパク質と同様に、ヒトのコドンに合わせて最適化されており、標準的蛍光タンパク質と同じスペクトル特性を備えている。不安定化蛍光タンパク質ベクターはFP-DRを搭載した哺乳類細胞用のプロモーターレスベクターで、FP-DR配列の上流のマルチクローニングサイトに、プロモーターやプロモーター/エンハンサーを挿入して使用する。本ベクターを用いることで、制御プロモーターによる一過性のmRNA転写動態の正確な測定、発生段階の遺伝子発現の観察、シス制御エレメントの検討などが行える。FP-DRは蛍光顕微鏡で直ちに観察したり、フローサイトメトリーを用いて容易に解析することができる。また、発現しても過剰に蓄積しないため、安定形質転換細胞株の樹立にも適している。
FP-DR変異体は、蛍光タンパク質のC末端にマウスオルニチンデカルボキシラーゼ(MODC)の一部を融合させて構築した。この領域にはタンパク質を分解に導くPESTドメインが存在するため、タンパク質の半減期を大幅に短縮する(1)。不安定型変異体はPEST配列を介する分解経路が存在するあらゆる生物の細胞で使用可能である。
図1. 不安定化蛍光タンパク質ベクター 保存
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