DD-FP (Fluorescent Protein) Reporter Systemは、非誘導時のバックグラウンドの低減と広いダイナミックレンジを両立するプロモーターアッセイシステムである。レポーター遺伝子に高輝度蛍光タンパク質(AmCyan1、tdTomato、ZsGreen1)を採用し、さらに非誘導時のバックグラウンドを抑えるために、タンパク質の安定化/安定化制御技術であるProteoTunerシステムを採用することで、これまで困難と考えられていた低バックグラウンドと広いダイナミックレンジの両立を実現している。
本システムでは、N-末端側に不安定化ドメイン (DD : Destabilization Domain)を融合して蛍光タンパク質レポーターを発現する。DD融合蛍光タンパク質はプロテアソームにより迅速に分解されるため、レポーターアッセイを開始するまでのリークに由来するバックグラウンドを大幅に低減させることができる。また、ここに膜透過性の低分子化合物リガンドであるShield1を添加すると、DDタグにShield1が結合し、DD融合蛍光タンパク質を分解から保護することができる(図1) (1)。したがって、目的の誘導物質を細胞に添加する際にShield1を同時に加えることで、プロモーターを活性化させる時のみにDD融合蛍光タンパク質レポーターを安定化させることができる。これにより、プロモーター非活性時のリークを抑制し、さらにプロモーター活性時に合成されるほとんどの蛍光タンパク質レポーター分子をシグナルとして検出することができるため、他の一般的なレポーターシステムよりも非常に高いS/N比と広いダイナミックレンジを実現することができる。
レポーターシステム | 応答配列 | 用途 | レポーター遺伝子 |
DD-FP | (ブランク) | 任意の応答配列を用いたレポーターアッセイ | tdTomato, AmCyan1, ZsGreen1から選択可 |
NFkB-DD-FP | NFκB | NFκB応答配列を用いたシグナル伝達系の解析 |
CRE-DD-FP | CRE | CRE応答配列を用いたシグナル伝達系の解析 |
DD Fluorescent Protein Reporter Systems
(製品コード 632190/632191/632192)
・Promoterless DD Fluorescent Reporter Vector (tdTomato/AmCyan1/ZsGreen1)
・Shield1
NFκB DD Fluorescent Protein Reporter Systems
(製品コード 631081/631083)
・NFκB Promoter DD Fluorescent Reporter Vector (tdTomato/AmCyan1/ZsGreen1)
・Shield1
CRE DD Fluorescent Protein Reporter Systems
(製品コード 631085/631087/631089)
・CRE Promoter DD Fluorescent Reporter Vector (tdTomato/AmCyan1/ZsGreen1)
・Shield1