DsRed-Express & DsRed-Express2 蛍光タンパク質ベクター

  • 明るい赤色蛍光
  • 低い残存緑色蛍光レベル
  • 生細胞や固定細胞での目的タンパク質の局在化観察などに最適
  • さらに可溶性の高いDsRed-Express2がラインナップ
製品コード メーカー
略称
製品名 容量 価格(税別) 特記事項 説明書、CoA
データシート
ベクター情報
参考資料 カート
Takara Code
632535

CLN

Clontech
pDsRed-Express2 Vector
取寄 ライセンス
20 μg ¥141,000
説明書・データシート・ベクター情報
Z2535N
632536

CLN

Clontech
pDsRed-Express2-1 Vector
取寄 ライセンス
20 μg ¥145,000
説明書・データシート・ベクター情報
Z2536N
632537

CLN

Clontech
pDsRed-Express2-N1 Vector
取寄 ライセンス
20 μg ¥141,000
説明書・データシート・ベクター情報
Z2537N
632538

CLN

Clontech
pDsRed-Express2-C1 Vector
取寄 ライセンス
20 μg ¥145,000
説明書・データシート・ベクター情報
Z2538N
632540

CLN

Clontech
pIRES2 DsRed-Express2 Vector
取寄 ライセンス
20 μg ¥145,000
説明書・データシート・ベクター情報
Z2540N
632539

CLN

Clontech
pCMV DsRed-Express2 Vector
取寄 ライセンス
20 μg ¥141,000
説明書・データシート・ベクター情報
Z2539N
632412

CLN

Clontech
pDsRed-Express Vector
ライセンス
20 μg ¥143,000
説明書・データシート・ベクター情報
Z2412N
632413

CLN

Clontech
pDsRed-Express-1 Vector
取寄 ライセンス
20 μg ¥147,000
説明書・データシート・ベクター情報
Z2413N
632429

CLN

Clontech
pDsRed-Express-N1 Vector
取寄 ライセンス
20 μg ¥143,000
説明書・データシート・ベクター情報
Z2429N
632430

CLN

Clontech
pDsRed-Express-C1 Vector
取寄 ライセンス
20 μg ¥147,000
説明書・データシート・ベクター情報
Z2430N
632416

CLN

Clontech
pCMV-DsRed-Express Vector
取寄 ライセンス
20 μg ¥147,000
説明書・データシート・ベクター情報
Z2416N
632423

CLN

Clontech
pDsRed-Express-DR Vector
取寄 ライセンス
20 μg ¥147,000
説明書・データシート・ベクター情報
Z2423N
632521

CLN

Clontech
pRetroX-IRES-DsRed Express Vector
取寄 ライセンス
20 μg ¥207,000
説明書・データシート・ベクター情報
Z2521N

製品説明

DsRed-Express蛍光タンパク質はDiscosoma sp.の赤色蛍光タンパク質(DsRed;1)のバリアントであり、数箇所の点突然変異により可溶性が向上し、緑色蛍光レベルが低く成熟が早いため(2)、FACSでの使用に適している。FACS解析では、低レベルの緑色蛍光であっても、細胞がAcGFP1など真の緑色蛍光タンパク質を発現していると判断する可能性があるため、上記の特長は細胞選別、特に多色解析では極めて重要である。残存緑色蛍光が抑制されているため、他の蛍光標識集団から赤色蛍光集団を効率よく分離することができる(3)。
pDsRed-Express-C1やpDsRed-Express-N1を使用すると、生細胞または組織全体でタンパク質の発現や局在を観察するための蛍光タグとしてDsRed-Expressを利用することができる(DsRed-Expressは野生型のDsRedと同じく4量体を形成するが、凝集傾向は軽減されている。ただし、この4量体形成により、すべての融合体で適切な機能を保証することはできない)。DsRed-Expressの明瞭な赤色蛍光は、トランスフェクション後8~12時間以内に蛍光顕微鏡法またはフローサイトメトリーにより検出可能である。この成熟速度はEnhanced Green Fluorescent Protein(EGFP)に匹敵するものである。

DsRed-Express2はDsRed-Expressにさらに改良を加えて得られた、より高い可溶性を持つ赤色蛍光タンパク質である。可溶性の向上により細胞毒性が軽減され、従来のDsRed-Expressよりも高い発現レベルを標的細胞中で保つことができる(4)(図2)。また、DsRed-Express2は細菌発現系や哺乳類発現系のいずれでも安定した発現を示し、マウス造血幹細胞でも10日間以上の発現を確認することができた(4、5)(図3)。
DsRed-Express、DsRed-Express2のウェスタンブロットでの検出にはLiving Colors抗体を利用できる(図4)。


図1. DsRed-Express2の励起波長と蛍光波長
励起極大波長は554 nm、蛍光極大波長は591 nm

図2. 細胞毒性の低いDsRed-Express2
HeLa細胞に各蛍光タンパク質を一過的に過剰発現させ、24時間ごとにフローサイトメトリーを用いて解析を行った(n=3)。最も蛍光強度が高かった値を100 unitsとした。mEGFPとDsRed-Express2は24時間~120時間の間、ほぼ一定した蛍光強度が得られたが、他の蛍光タンパク質は時間の経過にともない蛍光強度が低下した。これは蛍光強度の強い細胞から脱落していったためと考えられる。


図3. DsRed-Express2を発現するマウス造血幹細胞と造血前駆細胞の細胞増殖
DsRed-Express2を発現するマウス造血幹細胞をフローサイトメトリーにより分取して適切な条件で培養し、培養3、6、10日目に細胞数を計測した(n=3)。10日目の細胞数の減少は蛍光タンパク質によるものではなく、in vitro培養で通常観察される細胞の老化によるものである。


図4. DsRed-ExpressとDsRed-Express2のウェスタンブロッティングでの検出
HEK 293細胞に各蛍光タンパク質をコードした哺乳類発現ベクターを一過的に導入し、それぞれ35,000細胞/ウェルからライセートを作製して、DsRed Monoclonal Antibody* (1:500; パネルA)、またはDsRed Polyclonal Antibody (1:1,000; パネルB)を用いてウェスタンブロットにより検出した。
レーン1:コントロール(非導入細胞) レーン2:tdTomato レーン3:mCherry レーン4:DsRed-Express レーン5:DsRed-Monomer レーン6:ZsGreen1 レーン7:Empty レーン8:DsRed-Express2
*DsRed Monoclonal Antibodyは、DsRed-Monomerに使用できません。


表1. DsRedバリアントの蛍光特性
横にスクロールできます
赤色蛍光タンパク質
バリアント
励起/蛍光
極大値(nm)
吸光係数 量子収率 野生型DsRedに
対する相対輝度
a
発色団形成まで
の時間(t0.5)(hr)
蛍光安定性
<退色するまでの
半減期(秒)>
b
DsRed-Express2 554/591 35,600 0.42 0.41 0.7 64±4
DsRed-Express 554/586 33,800 0.44 0.41 0.6 71±3
TagRFP 554/582 77,000 0.47 0.98 1.5 8±4
TurboRFPc 550/573 n. d.e n. d.e n. d.e 1.5 32±1
WT DsRedd 558/583 51,500 0.71 1 11 n. d.
a 相対輝度は吸光係数と量子収率の値から計算し、野生型DsRedの場合を1としている。
b 広範な視野下で蛍光照射時の退色するまでの半減期、3回測定を行った標準誤差を示す。
c Turbo RFPは溶解度が低く相対輝度を計算できない。
d 野生型DsRedの発色団形成時間はCampbell, R. E. et al. (2002)より。野生型DsRedは発色団形成が遅いため退色時の半減を計算できない。
e n. d.=未確認

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