製品説明
腸管出血性大腸菌の検出においては、まずベロ毒素遺伝子の保有状況によるスクリーニングを行い、ベロ毒素遺伝子陽性であれば、O抗原型の遺伝子タイピングをした上で、分離培養を行う方法が効率的であるとされている。
本キットは、O157:H7をはじめとする腸管出血性大腸菌による食中毒の原因遺伝子であるベロ毒素遺伝子(VT1,VT2遺伝子)を、リアルタイムPCRにより検出するためのキットである。VT1遺伝子およびVT2遺伝子を検出するためのFAM標識プローブ、インターナルコントロールとインターナルコントロール検出用のROX標識プローブが含まれている。二波長を同時にモニタリングすることで、一本のチューブでVT1遺伝子およびVT2遺伝子の検出と、インターナルコントロールの検出による偽陰性のモニターが可能である。リアルタイム検出なので電気泳動が不要であり、迅速に判定結果が得られる。なお、本キットではVT1遺伝子とVT2遺伝子は識別できない。
- 本製品を用いる検出方法は、厚生労働省医薬食品局食品安全部監視安全課長通知(平成26年11月20日)
「腸管出血性大腸菌O26、O103、O111、O121、O145及びO157の検査法について」(食安監発1120第1号)に収載されました。
内容
(50回反応分 25 μl反応系)
● |
1. 2×Cycleave Reaction Mixture |
2×conc. |
625 μl |
● |
2. VT Primer/Probe Mix (FAM, ROX)* |
5×conc. |
250 μl |
● |
3. dH2O |
|
1 ml |
● |
4. NaOH Solution |
50 mM |
1.5 ml×4 |
○ |
5. Tris-HCl Buffer pH7.0 |
1 M |
500 μl×2 |
● |
6. dH2O (for Dilution) |
|
1 ml |
● |
7. VT1 Positive Control |
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150 μl (30回分) |
● |
8. VT2 Positive Control |
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150 μl (30回分) |
* プライマーは株式会社島津製作所で製造されたものである。蛍光標識プローブを含んでいるので、遮光に留意すること。
本プライマーでは、ベロ毒素1型(VT1)および2型(VT2、VT2vha、VT2vhb、VT2vp1)遺伝子を検出する。ターゲット遺伝子の増幅サイズは171 bpである。
コンポーネント1、2、3は、製品に添付している小箱を利用し、4~8のコンポーネントとは別に保管すること。
※ Lot. AK2701より以下のチューブキャップの色が変更になりましたのでご注意ください。
dH2O ピンク色
Tris-HCl buffer pH7.0 無色
【ご注意】 | 上記に示したチューブキャップの色は、Lot. AK2701以降の場合です。それ以前のロット(~Lot. AK2601)については、v201412Daの説明書をご確認の上、ご使用ください。 |
保存
-20℃(開封後は、コンポーネント1~3 および4~8を別々の箱に入れ、それぞれ-20℃で保存する。)
キット以外に必要なもの(主なもの)
- 【機器】
- リアルタイムPCR装置および専用チューブ・専用プレート
・Thermal Cycler Dice Real Time System III with PC(製品コード TP970)
・Thermal Cycler Dice Real Time System II(製品コード TP900/TP960:終売)
・Thermal Cycler Dice Real Time System Lite(製品コード TP700/TP760)
食品環境検査用ソフトウェア(日本語表示)
または、Thermal Cycler Dice Real Time System Software
・Applied Biosystems 7500 Fast Real-Time PCR System(Thermo Fisher Scientific社)
・StepOnePlus Real-Time PCR System(Thermo Fisher Scientific社)など
(詳しくは弊社までお問い合わせください。)
- ヒートブロック(95℃まで温度を上げられるもの)
- 【その他】
- 200 μl、20 μl、10 μl 各マイクロピペット
マイクロピペット用チップ(疎水性フィルター付)
卓上遠心機
補足資料