本製品は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のスパイクタンパク質におけるN501Y、L452R/L452Q、T478K、E484K/E484Q/E484A、F490S、P681R/P681H、G339D、ins214EPEの変異を検出するための迅速・簡便なリアルタイムPCR試薬で、各変異をそれぞれ特異的に検出するためのプライマー・プローブと、コアキット(PCR酵素ミックスと前処理試薬のセット)、ポジティブコントロールRNAを組み合わせて使用する。(
ポジティブコントロールRNA各種はこちら)
製品化にあたり、群馬パース大学大学院 木村博一教授に監修していただいた。
※N501Y、E484K/E484Q/E484A、L452R/L452Q、T478K、F490S、P681R/P681H、G339D、ins214EPEの各変異は、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質にみられるアミノ酸変異である。これらの変異を持つ変異株として以下が報告されている。
- N501Y変異:アルファ株(EPI_ISL_601443)、ベータ株(EPI_ISL_700428)、ガンマ株(EPI_ISL_833137)など
- E484K変異:ベータ株(EPI_ISL_700428)、ガンマ株(EPI_ISL_833137)など
- E484Q変異:カッパ株(EPI_ISL_1704611)など
- E484A変異:オミクロン株BA.1(EPI_ISL_6913953.2)、BA.1.1(EPI_ISL_7571618)、BA.2(EPI_ISL_8559646)など
- L452R変異:デルタ株(EPI_ISL_2379631)など
- L452Q変異:ラムダ株(EPI_ISL_2508582)など
- T478K変異:デルタ株(EPI_ISL_2379631)など
- F490S変異:ラムダ株(EPI_ISL_2508582)など
- P681R変異:ガンマ株(EPI_ISL_833137)、デルタ株(EPI_ISL_2379631)など
- P681H変異:アルファ株(EPI_ISL_601443)、ミュー株(EPI_ISL_2933813)など
- G339D変異:オミクロン株BA.1(EPI_ISL_6913953.2)、BA.1.1(EPI_ISL_7571618)、BA.2(EPI_ISL_8559646)など
- ins214EPE変異:オミクロン株BA.1(EPI_ISL_6913953.2)、BA.1.1(EPI_ISL_7571618)など
※変異株の名称はWHOによる分類を示し、括弧内は代表的GISAID Accession IDを示しています。
【特長】
- プライマー・プローブとコアキットを組み合わせて自由に使用可能
本シリーズのプライマー・プローブはすべて、SARS-CoV-2 Direct Detection RT-qPCR Core Kit(製品コード RC330A)*と組み合わせて使用可能です。
* SARS-CoV-2 Direct Detection RT-qPCR Kit(製品コード RC300A/RC30JW)と同じ反応系です。
反応条件は、プライマー・プローブの取扱説明書をご確認ください(一部温度条件が異なります)。
- RNA精製は不要、ダイレクトに検出!
サンプルと前処理試薬の混合液を熱処理するだけの簡便な前処理でRT-PCRが可能
- 前処理から検出まで1時間以内、迅速に判定可能
【検出フロー】
【判定イメージ】
FAM (Wild 検出系) | Cy5 (Mutant 検出系) | 判定 |
 |  | 変異あり
|
 |  | 変異なし |
※ Primer/Probe E484K/E484Q (SARS-CoV-2)(製品コード RC349A)については、FAM:Wild検出系、Cy5:E484K Mutant検出系、HEX:E484Q Mutant検出系で、Primer/Probe L452R/L452Q (SARS-CoV-2)(製品コード RC343A)については、FAM:Wild検出系、Cy5:L452R Mutant検出系、HEX:L452Q Mutant検出系で、また、Primer/Probe P681R/P681H (SARS-CoV-2)(製品コード RC321A)については、FAM:Wild検出系、HEX:P681R Mutant検出系、Cy5:P681H Mutant検出系で、それぞれの変異の判定を行います。
<N501Y変異検出およびE484K変異検出>
Twist Bioscience社のControl 2 (MN908947.3) およびControl 16 (B.1.351, EPI_ISL_678597)を適宜希釈し、1反応当り 0(RNase Free H
2O)、50、500、5,000コピーを鋳型として使用した場合の反応例を以下に示す。
(qPCR装置はQuantStudio 5 Real-Time PCR Systemを使用)
N501Y変異検出の場合
<鋳型> Control 2 (MN908947.3)(501N Wild Template)
<鋳型> Control 16 (B.1.351, EPI_ISL_678597)(N501Y Mutant Template)
E484K変異検出の場合
<鋳型> Control 2 (MN908947.3)(484E Wild Template)
<鋳型> Control 16 (B.1.351, EPI_ISL_678597)(E484K Mutant Template)
<L452R変異検出>
Positive Control RNA Set (L452R)の Positive Control RNA (wild)およびPositive Control RNA (L452R)を適宜希釈し、1反応当り 0(Negative Control)、50、500、5,000コピーを鋳型として使用した場合の反応例を以下に示す。
(qPCR 装置は QuantStudio 5 Real-Time PCR Systemを使用)
<鋳型> Positive Control RNA (wild)
<鋳型> Positive Control RNA (L452R)