製品説明
RetroNectin(リコンビナントヒトフィブロネクチン CH-296)は、ヒトフィブロネクチンの細胞接着ドメイン (C-domain)、ヘパリン結合ドメイン (H-domain)およびCS-1部位の3種類の機能性ドメインを含む組換えタンパク質である。哺乳類細胞への遺伝子導入方法としてしばしば用いられる組換えレトロウイルスベクターとRetroNectinを併用する遺伝子導入は、RetroNectin分子上に、細胞接着ドメインとアフィニティーを持つ動物細胞とヘパリンドメインに結合するレトロウイルスベクターの両者を近接した位置関係に配座することにより、導入効率を格段に高めることができる。
また、RetroNectinは、体外でのリンパ球大量培養の際の器材上マトリックスとしても利用され効果をあげていることから、リンパ球拡大培養用補助剤などの用途で多方面に使用されている。
本キットは、ヒトフィブロネクチンと全く交差反応しないRetroNectin特異的モノクローナル抗体を、捕捉抗体として固相にプレコート化したサンドイッチタイプのELISAキットである。ヒト血液成分共存下でも阻害を受けることなく、RetroNectin量のモニタリングを容易に行うことができる。RetroNectinをコーティングしたDishなどからの遊離量や、RetroNectin存在下で培養した細胞の凍結保存液や細胞洗浄液中のRetroNectin残存量を高感度に定量できる。
内容
(96回分)
1. |
抗RetroNectinモノクローナル抗体プレート |
1枚(96 well:8 well×12 strips) |
2. |
ペルオキシダーゼ標識抗RetroNectinモノクローナル抗体(凍結乾燥品) |
11 ml用 |
3. |
RetroNectin標準品(凍結乾燥品) |
1 ml用 |
4. |
検体希釈液 |
11 ml×2 |
5. |
基質液(TMBZ:3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン) |
12 ml |
保存
4℃
原理
プレコートタイプ2ステップ・サンドイッチELISA法
性能
測定範囲 | : | 3.1~200 ng/ml |
検出感度 | : | 3.1 ng/ml |
特異性 | : | RetroNectinに特異的 |
測定時間 | : | 測定操作 2時間30分 |
検 体 | : | RetroNectin存在下で培養した細胞の保存液や洗浄液など 検体量として100 μl/assay wellが必要 |
キット以外に必要な試薬や器具(主なもの)
用途
- RetroNectinを用いた遺伝子導入細胞の凍結保存液や細胞洗浄液中の残留RetroNectinの検出
- RetroNectinを用いたリンパ球拡大培養サンプル中の残留RetroNectinの検出