EpiXplore Meth-Seq DNA Enrichment Kitは、断片化したゲノムDNAからメチル化DNAと非メチル化DNAを分離、濃縮し、各DNAからイルミナ社NGSライブラリーを作製するキットである。メチル化DNAの濃縮には、EpiXplore Methylated DNA Enrichment Kit(製品コード 631962、631963)でも使用しているHisタグ融合MBD2タンパク質(メチル化CpGに結合するタンパク質)とCapturem Nanoprep Columnsを利用し、2時間以内で終了する。濃縮されたメチル化DNA(または非メチル化DNA)から、DNA SMART技術により、イルミナ社対応シーケンスライブラリーを作製できる。
ライブラリー作製では、DNA SMART技術により、少量のDNAサンプルからでも約4時間で、DNA断片末端にイルミナ特異的アダプターを付加したシーケンスライブラリーを作製できる。
図1.メチル化DNAと非メチル化DNAの分離フローチャート
断片化ゲノムDNAをHisタグ融合MBD2タンパク質と1時間反応させ、メチル化DNAをMBD2に結合させる。反応液をCapturem Nanoprep Columnへアプライし、Hisタグ融合MBD2タンパク質を結合する。カラム洗浄後、メチル化DNAを高塩濃度バッファーで溶出する。精製後、得られた濃縮DNAからNGS用ライブラリーを作製する。
図2.DNA-SMART ChIP-Seq技術
イルミナ社NGSライブラリー作製のフローチャートを示す。濃縮DNAからNGSライブラリー作製までは、約4時間で終了する。DNA SMART技術により、アダプターライゲーションや精製を行う必要がなく、DNAサンプルのロスの少ない操作でライブラリー作製が行える。
図3.メチル化DNA画分と非メチル化DNA画分からのNGSライブラリーの比較
シロイヌナズナの3番染色体の特定領域(緑枠)について、メチル化DNA画分と非メチル化DNA画分からのライブラリーで検出されたピークを示す。メチル化領域は赤枠で、非メチル化領域は、青枠で示す。結果は、公開されているバイサルファイトシーケンス結果(GEO accession GSM980986; Stroud
et al., 2013)と良く一致している。
Methylated DNA濃縮
・微量高速遠心機 (1.5 ml と 0.2 mlチューブ用)
・Nuclease-free thin-walled PCR tubes with caps (0.2 ml; USA Scientific社, Cat. No.1402-4700)
・1.5 ml チューブ
・ピペット、フィルター付チップ
・Qubit 2.0 Fluorometer (Life Technologies, Cat. No. Q32866)とHS dsDNA assay kit (Cat. No. Q32851/Q32854)
・500 μl thin-walled polypropylene tubes (Life Technologies, Cat. No. Q32856)
PCR増幅
・サーマルサイクラー
・0.2 ml Nuclease-free thin-walled PCR tubes
・Nuclease-free nonsticky 1.5 ml tubes (Eppendorf社, Cat. No. 022431021; USA Scientific社; Cat. No. 1415-2600)
AMPure XP Bead精製
・Agencourt AMPure XP PCR Purification Kit (Beckman Coulter社, 5 ml用, Part No. A63880; 60 ml用, Part No. A63881)
・80% ethanol(用時調製)
・Magnetic Separator:1.5 mlチューブ用(作製可能
*)、PCR strip用(Cat. No. 635011)
DNAライブラリーチェック
・Qubit 2.0 Fluorometer (Life Technologies, Cat. No. Q32866)
・Qubit dsDNA HS Assay Kit (Life Technologies, Cat. Nos. Q32851, Q32854)
・500 μl thin-walled polypropylene tubes(Qubit 2.0 Fluorometer用)(Life Technologies, Cat. No. Q32856)
・Agilent High Sensitivity DNA Kit(Agilent社, Cat No. 5067-4626)