5' PCR Primer HTおよび3' PCR Primer HTにより付加されたアダプターは、イルミナ社シーケンサーのフローセルへの結合部位(P7、P5)およびイルミナ社 TruSeq HT Index(Index 1 [i5]、Index 2 [i7])の配列を含んでおり、シーケンスプライマーRead 2およびRead 1を認識する領域も含んでいる。
Read 1では元のRNAのアンチセンス側の配列が得られ、Read 2では元のRNAのセンス側の配列が得られる(元のRNAの方向は 5’→3’になる)。
Read 2を用いた場合の最初の3塩基 (XXX)はPico v2 SMART Adapter由来の配列になるので、paired-end sequencingを行った場合、この3塩基はマッピングの前にトリミングする必要がある。
従来のキット(Pico v1)と本キット(Pico v2)を用いて作製したライブラリーを、NextSeq 500またはMiniSeqを用いてシーケンスを行った。それぞれのグラフにおいて、青い枠の部分はunfiltered (raw) リードのクラスター密度の分布を示している。一方、緑の枠の部分はfilteringを行ったリードのクラスター密度の分布を示している。
Passing filterのリード数(M:million)と%PFの値をグラフの上に表記した。
イルミナ社の規格では、予想されるPassing filterのリード数は、NextSeqの場合は130 M、MiniSeqの場合は25 Mである。PhiXはPico v2キットでは1%、Pico v1キットでは10%添加している。
Pico v2キットの場合、PhiXにアライメントされたリードの割合はすべてのシーケンスランにおいて、0.5%から1.15%の間である。
上記のグラフの結果により、Pico v2キットで作製されたライブラリーは、Pico v1キットに比べて高い% PFの値が得られた。
1 ngまたは10 ngのヒト肺FFPE組織から抽出したTotal RNAから、従来のキット(Pico v1)および Pico v2キットを用いてライブラリーを調製し、NextSeq 500でシーケンスを行った。
Panel A:1 ngおよび10 ng inputから調製したライブラリーの評価
どちらのinput量においてもPico v2を用いた場合、ライブラリーの収量が多く、rRNAやmtRNAにマッピングされるリード数の割合や、Duplicateの割合が低かった。1 ngのinputではPico v2のライブラリーから得られたシーケンスデータでは、Pico v1の場合に比べて数千以上多くのTranscript数が得られ、Pico v2では高い感度での解析が可能になった。
Panel B : 1 ngおよび10 ng inputから調製したライブラリーのFPKMs(Fragments Per Kilobase of Exon Per Million Fragments Mapped)の相関性
Pico v2キットを用いた場合、Pico v1キットに比べて1 ngと10 ngのinputのデータにおいて高い再現性が見られた。FPKMの値はlog10 scaleで表示している。
Improved ease of use and sequencing performance for whole transcriptome analysis of high-quality or degraded samples
Stranded NGS libraries from FFPE samples
RNA-seqを成功させるためのコツ(英語)
ヒト生体液および細胞外小胞からのtotal RNA-seq(英語)
RNA-seqのヒント(英語)
無細胞核酸のシーケンス解析(英語)
Total RNA-seqの概要(英語)
SMARTer® Stranded Total RNA-Seq Kit v2 Pico Input Mammalianを用いたRNAバイオマーカー探索(英語)
UMI付き、微量FFPEサンプルからもRNA-Seqが可能
様々な生物種のRNAから方向性の情報をもつNGS用ライブラリー調製が可能
シングルセルまたはtotal RNA 10 pgからの方向性情報を持ったtotal RNA-Seq解析
total RNA 100 ng~1 μgからイルミナ社NGS用ライブラリーを迅速に調製
方向性の情報をもつNGS用ライブラリー作製が可能 (total RNA量 10~100 ng)