精製したタンパク質のN末端一次構造をプロテインシークエンサーを用いて解析しようとした場合、十分なサンプル量があるにもかかわらず一次構造が解析できないことがよくある。多くの場合N末端がアシル基やアルキル基でブロックされているのがその原因であるが、N末端をデブロックすることにより解析する方法が報告されているにもかかわらず、ほとんどの場合は解析をあきらめているのが現状である。
これまでに報告された方法を集約した以下に示すストラテジーにより、タンパク質N末端デブロッキングを高い成功率で行うことができる。
N末端ブロックタンパク質デブロッキングのストラテジー1)
精製タンパク質(SDS-PAGE/Electroblotting、逆相系HPLC etc.)
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プロテインシークエンサーによるN末端分析*
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不成功
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Method I N-formyl基のデブロッキング
不成功
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Method II N-pyroglutamyl基のデブロッキング
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不成功
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Method III N-acetyl基のデブロッキング
*以下に示す一連の操作を行う場合、溶液試料では、まず最初にPVDF膜に試料をドットブロットすることが望ましい。